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アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第1週|ダンゴテのラム製油所の起工、南アのガソリン30ランド超、Tullow仲裁

1 時間前
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アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第1週|ラムDangote製油所の起工、南アのガソリン30ランド超、Tullow仲裁(サムネイル)

アフリカ各国の現地紙から、今週の「制度・数字・現場」を拾いました。


ケニアと東アフリカを厚めに、ナイジェリア・ガーナ・セネガル・南アフリカ・モザンビーク・モロッコ・エジプト・コンゴ民主共和国などの現地紙を加えています。


国際媒体に出にくいものを中心に、日本企業のアフリカ担当の方が社内で説明するときの材料としてお使いください。


今週は、ケニア東部ラムで、ナイジェリアのDangoteグループが製油所の起工式を開きました。投資額は160億ドル(約2.5兆円)です。


エルニーニョの雨も動き出しています。ケニアは緊急SMSを整え、セネガルのダカールでは洪水で死者が出ました。


原油高は、南アフリカのガソリンを初めて1リットル30ランド超に押し上げています。


今週取り上げた国と本数の地図(アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第1週|ラムDangote製油所の起工、南アのガソリン30ランド超、Tullow仲裁)

今週の3行


  • ラムのDangote製油所が起工。 160億ドル(約2.5兆円)、日量70万バレル、完成目標は40か月。土地をめぐる住民133人の訴えは審理中

  • 南アのガソリンは初の1リットル30ランド超。 ハウテン州の95無鉛は30.25ランド(約287円)

  • ガーナは英Tullow Oilとの税務紛争で、ICC仲裁に勝訴。 査定の総額は3.93億ドル(約620億円)


ケニア・東アフリカ


【企業】ケニア:Dangote、ラム製油所の起工式。日量70万バレル、完成目標は40か月


ナイジェリアのDangoteグループが9月30日、ケニア東部ラム(Lamu)で製油所の起工式を開きました。Ruto大統領とともに式を主導しています。


投資額は160億ドル(約2.5兆円。現地紙は約2兆シリングと表記)、処理能力は日量70万バレルです。完成は40か月以内を目標にしています。


式には、ウガンダのムセベニ大統領、エチオピアのAbiy Ahmed首相、ベナンのWadagni大統領、トーゴのSavi de Tové大統領が出席しました。


原油は、トゥルカナ油田など域内産の活用を想定し、足りない分は海外から調達する計画です(The Star)。


Dangote氏はBusiness Dailyの取材に、地域の政府への出資枠は全体の30%で、ケニアとルワンダが参加していると話しました。


稼働後は、ナイロビ証券取引所(NSE)に上場する考えです。


併設の発電所は1,000MWで、半分を政府に売る計画です。雇用は6万人としています。


土地をめぐる訴訟も続いています。Chandavaiの住民133人が9月28日、マリンディの裁判所に提訴しました。


先祖伝来の土地を、補償も移転もなく収用されたという主張です。


裁判所は、起工式などを緊急に止める申立てを認めず、係争地について現状維持を命じたと報じられています。次の審理は10月14日です。


Rutoはこれに対し、「立ち退かせる住民はいない。そこは政府の土地」と述べました(The Standard、10/1)。


政府は約1万エーカーを確保済みで、特別経済区などのために3,000エーカーを追加で求めています。


主敷地の外で影響を受ける住民への補償は、民間の事業者でなく政府が負担するとしています。


▶ 日本企業への示唆:ラム港やLAPSSET回廊の沿線で用地や事業を検討している場合は、10月14日の審理など、土地の権利と補償をめぐる裁判の動きを確かめてください。



ラム製油所の起工から訴訟までの流れ図

【政策】ケニア:Dangoteの株式公開、ケニアの投資家にも開放。対象はナイジェリアの製油所


ケニアの資本市場庁(CMA)は10月5日までに、Dangote Petroleum Refinery & Petrochemicalsの新規株式公開(IPO)に、参加資格を満たすケニアの投資家が参加できるようにしました。


方法は、Renaissance Capital(ケニア)を通じた預託証券(GDR)です(GDRは、外国の会社の株を表す証書。自国の市場で売買できる)。


IPOは9月14日に始まり、10月13日に閉まります。


CMAは、このIPOがナイジェリアの製油所のもので、ラムの事業とは関係がないと説明しています。


ケニアで預託証券の販売を認めたのは、GDRの規則ができてから初めてです。証券はNSEに上場される予定で、ナイジェリアの証券取引委員会の承認が前提です。


CMAの承認が出る前、Business Dailyは、最小Sh490(約600円)から買える仕組みだと伝えていました。


IPOの規模はSh207 billion(約2,500億円)で、The Standardは「アフリカ最大の株式売り出し」と書いています。


CMAは、投資を勧めるものではなく、目論見書を読み、専門家に相談するよう呼びかけています。


▶ 日本企業への示唆:社内で「Dangoteの株」と伝えるときは、ケニアで買えるのはナイジェリアの製油所の株で、ラムの出資とは別だとCMAが説明している点を添えてください。



【数字】ケニア:9月のインフレ率は6.8%。8月の6.6%から上昇


ケニア国家統計局(KNBS)によると、9月の年間インフレ率は6.8%でした。8月は6.6%です。


食品・非アルコール飲料が前年同月比9.5%、交通が15.6%、住居・水道・電気・ガスなどが3.2%上がりました。


この3分類で、消費者物価の指数全体の57%超を占めます。


前月比では、食品・非アルコール飲料が0.9%の上昇です。消費者物価指数(CPI)は155.85から156.47へ、0.4%上がりました(The Standard)。


▶ 日本企業への示唆:ケニアで賃金や契約単価を物価に連動させている場合は、この水準を見直しの材料にしてください。



【政策】ケニア:決済法案の続報。M-Pesa・Airtel Moneyの預り金は政府証券と利付き口座でのみ運用、サイバー事故の届出も


前号で紹介した「国家決済システム法案2026」の続報です。M-PesaやAirtel Moneyなどの決済事業者は、顧客の預り金を、政府の証券か利息の付く銀行口座で運用できます(Business Daily、9/29)。


顧客資金は、商業銀行などの信託口座に置きます。信託口座の残高は、顧客への債務を下回ってはなりません(Business Daily、9/22)。


運用で得た利息を顧客に還元するかは、法案には書かれていません。前の中央銀行総裁のNjorogeは、運営費を引いた余剰を、ウォレットの保有者にボーナスとして配るよう提案しています(Techweez)。


法案をめぐる規制案は、決済事業者に、サイバー事故をすぐ規制当局(CBK)へ届けるよう求めています。


モバイルマネーの不正や不正アクセスも対象です(Business Daily、10/4)。


意見募集の締め切りは10月9日と報じられています(tech-ish)。


▶ 日本企業への示唆:ケニアで決済・送金に関わる事業を持つ場合は、意見募集の期限と、サイバー事故の届出義務を、自社の運用に当てはめて確かめてください。



【現場】ケニア:エルニーニョの雨が始まる。通信庁は緊急SMSを受信拒否の設定にも届ける


通信庁(CA)は10月1日付の書簡で、Safaricom、Airtel Kenya、Telkom Kenya、Jamii Telecommunicationsに対し、政府が承認した緊急の一斉SMSを、受信拒否の設定から外すよう指示しました。


SMSの受信拒否(Do-Not-Disturb)の設定や、過去に一斉SMSを拒否した利用者にも届きます。


期間は、訓練とエルニーニョの準備・対応の期間です。


気象局によると、雨はすでに約20郡で始まりました。ナイロビを含む中部は今週か来週、北東部は10月の第1〜2週です。


沿岸部では、クワレ、モンバサ、キリフィ、ラム、マンデラで強い雨を見込んでいます。


内務・国家行政省は10月5日、国の対応を発動したと発表しました。災害対応の拠点(NDOC)が調整し、食料を事前に置く優先10郡を決めています。


▶ 日本企業への示唆:ナイロビ周辺や沿岸部に拠点や物流を持つ場合は、浸水しやすい場所と搬入経路を、今週のうちに確かめてください。



【インフラ】ルワンダ:石油の輸入経路にモンバサ港。4万トンの初荷が到着


ルワンダが、石油製品の輸入経路にケニアのモンバサ港を使い始めました。4万トンの積み荷が、キペブ石油ターミナル2に着いています。


ケニアとルワンダは6月29日に、覚書、3者間の合意、輸送・貯蔵の合意を結びました。


政府間(G to G)の燃料輸入の枠組みで、ケニアパイプライン会社(KPC)の管と貯蔵タンクを使います。


内陸国のルワンダは、これまで石油の大半をダルエスサラーム港から入れ、ケニアの割合は1割でした。


ルワンダのインフラ相Armand Zingiroは、輸入経路を分散し、燃料の安定供給につなげると述べました。


▶ 日本企業への示唆:北部回廊で燃料や貨物の輸送を検討する場合は、モンバサ港とKPCの設備を使う政府間の枠組みができたことが前提になります。



【数字】ウガンダ:シリングが過去最安値。1ドル4,000シリング台


ウガンダのシリングが、過去最安値をつけました。銀行の提示は、1ドル=4,017シリング(買い)、4,027シリング(売り)です。


週のなかでは、4,040を示した銀行もありました。


3月は3,604前後、9月18日は3,930前後で、3月からの下落は300シリングを超えます。


理由として、製造業者・エネルギー輸入業者・トレーダーのドル買いと、年末の輸入に向けた前倒しの需要、原油価格の高止まりが挙がっています。


中央銀行のAtingi-Ego総裁は、下落は急でなく、介入は過度な変動をならすためで、特定の水準を守るためではないと説明しました。


アナリストのStephen Kaboyo(Alpha Capital Partners)は、10〜12月に向けて、企業のドル買いで再び圧力がかかると警告しています。


▶ 日本企業への示唆:ウガンダ向けの輸入やドル建て契約がある場合は、年末に向けた為替の前提を、取引先と共有してください。



【企業】タンザニア:政府、North Maraの鉱山ライセンスを15年更新。Barrickが発表


タンザニア政府が、North Mara鉱山のライセンスを15年更新しました。運営するBarrickが10月5日に発表しています。


政府は各鉱山に16%の持ち分を持ち、経済的な利益は、政府と事業者で半分ずつ分けます。


Barrickによると、従業員約3,000人の96%がタンザニア人です。


2019年からの経済への貢献は約53億ドル(約8,400億円)で、2025年だけで12億ドル(約1,900億円)です。


調達の9割超は、タンザニアに登録した会社からとしています。同社は2025年に、政府から最大の配当の支払い者、国庫収入への最大の貢献者などとして表彰されました。


▶ 日本企業への示唆:タンザニアの鉱山向けに納入を考える場合は、調達の9割超が現地登録の会社から、という点を前提に、組み方を検討してください。



【政策】東アフリカ共同体(EAC):分担金の滞納が1.25億ドル。年度予算を上回る


EACの分担金の滞納が、1.25億ドル(約198億円)になりました(The EastAfrican、10/5の見出し)。


2026/27年度の承認予算は1.1086億ドル(約175億円)で、滞納のほうが大きくなっています。


2026/27年度の分担金の支払い率は、17%です。


10月3日にアルーシャで、EAC加盟国の議会議長会議が開かれました。議長らは、各国政府・財務省と協力し、滞納の支払いを急ぐことで合意しています(The Citizen)。


分担の方式は、2026年3月に変わりました。半分を加盟国で均等に、半分を経済力で決めます。


累積した滞納の半分は条件つきで免除し、残る半分は2年以内に支払う取り決めです。


追加の会合は、10月27〜28日と10月29日(ナイロビ)の予定です。



西アフリカ


【政策】西アフリカ(UEMOA):即時決済PI-SPIが11月2日から義務に。1日の累計8,000FCFA以下は無料


西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の中央銀行(BCEAO)は10月2日の声明で、即時決済の基盤「PI-SPI」の利用を、11月2日から義務にすると発表しました。


対象は、域内の電子マネーの相互接続の取引すべてです。


手数料も見直します。国内送金は、1ユーザー・1参加機関あたりの1日の累計が8,000FCFA(約2,200円)以下なら、回数の制限なしで無料です(1回の送金額ではありません)。


電子マネー取引の75%がこの範囲に入ります。それを超えると、0〜0.8%の手数料がかかり得ます。受け取りは無料のままです。


国境を越える送金にも同じ条件が適用されますが、始まりは2027年6月1日です。


PI-SPIは2025年9月30日に始まりました。一般向けにサービスを開ける機関は175で、2か月前の104から増えています。


アクセスできる人は3,800万人を超えます。セネガルの43機関には、モバイルマネーのWaveも入りました。


一方で、PI-SPIの上に新しいサービスを作る「API Business」の承認は、9月中旬で24機関にとどまります。


▶ 日本企業への示唆:UEMOA域内で電子マネーやモバイル決済のサービスを持つ、または取引先が使う場合は、11月2日以降の取引がこの基盤を通ることが前提になります。



【政策】ガーナ:英Tullow Oilとの税務紛争、ICC仲裁でガーナ側が勝訴。ガーナ政府は査定の総額を3.93億ドルと発表


国際商業会議所(ICC)の仲裁廷は、ガーナ政府の発表では9月29日に、ガーナ歳入庁(GRA)と英Tullow Oilの税務紛争で、ガーナ側の主張を認めました。


対象は、2016〜2019年にTullowが受け取った事業中断保険の保険金への課税です。


仲裁廷は、査定は石油協定に反しない、ペナルティは正しく適用された、査定は時効にかかっていない、と判断しました(Graphic Online、Business Day Ghana)。


ガーナ政府が発表した査定の総額は3億9,309万ドル(約620億円)です。


Tullow自身は、争点を約1億9,650万ドルの法人所得税の査定と、同額(100%)のペナルティと説明しています(RTE)。


報道によって、総額の内訳の説明は一致していません。ガーナ政府は、仲裁の判断が9月29日に示されたと発表しています。Tullowの発表は9月30日です。


Tullowは「失望した」とし、ガーナ政府と協議したうえで対応を考えると述べました。株価は45.1%下落しました(RTE)。


別に、借入金利の控除に関する1.905億ドルの査定が、2027年に審理されます。


ガーナ側は、JubileeとTENの両油田の操業を止めずに、納付を進める方針です。


▶ 日本企業への示唆:ガーナの石油・ガス事業で保険金や補償金を受け取る契約がある場合は、課税の扱いを契約と照らして確かめてください。



Tullow Oilの税務紛争、ICC仲裁の流れ図

【企業】ナイジェリア:Dangote製油所、輸入業者へのガソリン販売を停止と現地紙が報道


Dangoteの製油所が、ガソリンの輸入をしている大手の販売業者への販売を止めました(Punch、10/6)。


製油所の関係者は匿名で、「輸入している者には売らない。高品質の製品を、品質の低い輸入品と混ぜようとしているため」と話しています。


いまの販売先は、独立系の販売業者の団体(IPMAN)の会員など、輸入をしない業者です。


IPMANのFasholaは「全員が輸入しているわけではない」と述べました(Telegraph Nigeria)。


ナイジェリアの燃料は高い水準です。priceandpromoによると、9月22日時点の全国平均は、ガソリンが1リットル1,378ナイラ(約164円)、軽油が1,899ナイラ(約226円)でした。


1月13日の水準から、ガソリンは約81%、軽油は約92%上がりました。


▶ 日本企業への示唆:ナイジェリアで燃料を調達している場合は、取引先がどの供給元から仕入れているかを確かめてください。



【政策】ブルキナファソ:初の金精製所Raffinor-BFを開所。年間の処理能力は164トン


ブルキナファソ政府は9月28日、首都ワガドゥグーで、初の金精製所「Raffinor-BF」を開所しました。軍政の指導者のTraoré大尉が式に出ています。


年間の処理能力は164トンで、将来は515トンまで広げられるとしています(大統領府)。建設は2023年11月末に始まりました。


費用は110億FCFA(約30億円)で、国と国内の民間事業者が出しました。直接雇用は100人、間接雇用は5,000人と、政府は見込んでいます。


2025年の金の産出は94トン超です(鉱業省)。Traoréは「原料を掘って外へ出す国であり続けるのでなく、すべての金属を国内で精製し、バリューチェーンを国内に置きたい」と述べました。


▶ 日本企業への示唆:ブルキナファソの金に関わる取引は、精製と輸出の手続きが今後どう定められるかを、確かめてください。



【政策】セネガル:IMFが外部の債権者を集めて初会合。債務再編に向けた説明の場


セネガルの債務再編に向けた、外部の債権者との初会合が10月6日にありました(RFI)。セネガル政府の求めに、IMFの職員が議長を務めたオンライン会議です。


すべての外部の債権者が招かれました。


議題は、経済・財政の状況、経済改革プログラム、債務の処理戦略です。IMFは、拡大クレジット・ファシリティ(ECF)の合意内容を説明しました。


IMFとは9月1日に、職員レベルで合意しています。期間は36か月で、規模は約22億ドル(約3,500億円)です。


IMF理事会の審議日は決まっていません。理事会に進むには、誤って報告された債務への是正と、債権者からの資金手当ての保証が前提と報じられています(L'Oeil d'Afrique)。


▶ 日本企業への示唆:セネガルの政府向け債権や、政府の支払いに頼る契約がある場合は、理事会の審議日と、債権者との協議の進み方を、確かめてください。



【現場】セネガル:大雨・洪水で複数の死者。国は9,210億FCFAの洪水対策を発表


ダカールで10月4日(日)に大雨があり、パルセル・アッシェニ地区で、女性と4歳の子どもが亡くなりました。


内務相は、ダカールとマタムで死者・負傷者が出たと発表しましたが、人数は示していません(マタムでは倉庫の崩壊で1人が死亡、2人が負傷)。


首相は「140ミリの雨は、どんな仕組みでも対応できない」と述べ、月曜から水曜は厳しい3日間になると予報が出ています。


首相は10月5日に緊急会合を開き、被災地を視察しました。国は同日、全国の洪水対策プログラムとして、921 milliards FCFA(9,210億FCFA。約2,500億円)を発表しました。


ダカールとトゥバの最も深刻な地点から着手します。


10月6日には、ダカール地域の緊急計画が発動されました。被災が伝えられた地区は、Grand-Yoff、Hann Bel-Air、パルセル・アッシェニ、Keur Massar、Guédiawaye、Pikine、Castors、VDN 3などです。


▶ 日本企業への示唆:ダカールに拠点・倉庫・取引先がある場合は、今週の予報と、冠水しやすい地区を確かめてください。



南部アフリカ


【数字】南アフリカ:ガソリンが初の1リットル30ランド超へ。10月7日から値上げ


南アフリカ政府は10月5日、水曜(10月7日)からの燃料価格を発表しました(Daily Maverick、News24)。


95無鉛ガソリンは1リットルあたり3.33ランド(約32円)上がり、ハウテン州で30.25ランド(約287円)になります。


沿岸部は29.38ランド(約279円)です。


軽油(硫黄0.05%)は2.84ランド(約27円)、軽油(硫黄0.005%)は3.24ランド(約31円)の値上がりです。


鉱物・石油資源省は、米国とイランの緊張、ホルムズ海峡を通る原油の流れの不透明さ、輸送費の上昇、在庫の減少を理由に挙げています。


ブレント原油は8月の87.89ドルから、9月は平均で101ドル超でした。


政府は、道路事故基金(RAF)の燃料課徴金を見直す案も検討しています(Moneyweb)。


現在は1リットル2.27ランド(約22円)で、運輸副大臣のHlengwaは、課徴金を減らして別の収入源を足す「ハイブリッド型」を支持しました。


決定ではなく、費用便益の分析中です。


▶ 日本企業への示唆:南アフリカで車両や輸送を使う事業がある場合は、10月の燃料単価で、運賃や配送費を計算し直してください。



【企業】南アフリカ:MTNのIHS Towers買収、競争委員会が条件つき承認を競争裁判所に勧告


南アフリカの競争委員会(Competition Commission)は9月30日、通信大手MTNによる、通信塔会社IHS Towersの買収を、条件つきで承認するよう、競争裁判所(Competition Tribunal)に勧告しました。


最終の判断は競争裁判所が行い、9月30日の時点では、まだ示されていません。買収額は約22億ドル(約3,500億円)です。


MTNは2月に、まだ持っていないIHSの75.3%を、現金で買うと発表していました。IHSは、MTNの主要5市場で約2万9,000本の塔を持っています。


委員会が勧告した条件は、IHSの設備を、他の通信会社にも公正で差別のない条件で使わせることです。


既存の賃貸契約は公正に更新し、MTN南アフリカを優遇しません。IHSは運営の独立性を保ちます。


委員会は、取引が「競争と公益の懸念を生む」としています。雇用、歴史的に不利な立場にあった人たちの持ち分、新しい塔の設置での中小企業の参加にも、条件があります。


ナイジェリアの通信委員会(NCC)の原則承認と、ザンビアの承認は、すでに出ています。


▶ 日本企業への示唆:南アフリカで通信塔や設備を借りて事業を行う場合は、賃貸契約の更新が公正に扱われるという条件が付いたことを、確かめてください。



MTNのIHS Towers買収、承認までの道のり(2026年)

【数字】ザンビア:中央銀行、政策金利を13.25%から10.75%へ2.5ポイント下げ


ザンビア中央銀行は9月30日、金融政策委員会(9月28〜29日)の結果として、政策金利を13.25%から10.75%へ、2.5ポイント下げました。


9月のインフレ率は6.1%(8月は6.2%)で、目標の6〜8%に収まっています。理由は、トウモロコシ価格の低下とクワチャ高です。


中央銀行は、経済全体の資金調達コストを下げ、成長を刺激するねらいとしています。


2026年の平均インフレは6.7%、成長率は5.3%(2025年は4.6%)と見込んでいます。


リスクとして、エルニーニョ、水力発電の不足、鉱業への依存を挙げました。


公的債務は、対GDP比で2023年の133.4%から、2025年は93.4%に下がりました。外部債務の94%で、再編の合意ができています(Ecofin)。


▶ 日本企業への示唆:ザンビアで現地通貨の借入がある場合は、取引銀行の貸出金利が政策金利に沿って動くかを、確かめてください。



【数字】モザンビーク:S&P、2026年の成長率予想を0.7%に下げ。外貨建て債務の格付けはCCC


格付け会社のS&Pは、モザンビークの2026年の実質GDP成長率の予想を、0.7%に下げました。2027年は2.5%と見ています。


外貨建て債務の格付けは「CCC」です。


S&Pは理由として、ドル不足、厳しい資金調達、民間投資の弱さを挙げています。


農業(GDPの約3割)は、上半期の洪水と、エルニーニョ、中東からの肥料供給の混乱で、厳しい状態が続くとしています。


アルミ精錬所Mozalの操業停止も、成長と外貨の重しです(GDPの約2%、モノの輸出の約2割)。


財政では、2021〜2025年に、人件費・手当・年金が5割超増え、2,420億メティカル(約33億ユーロ、約5,900億円。GDPの16%)になりました。


メティカルは、IMFの推計で約15%の割高です。新しいIMFのプログラムには、為替をより柔軟にする約束が必要だと、S&Pは見ています。


▶ 日本企業への示唆:モザンビークで送金や代金回収がある場合は、S&Pが外貨不足を成長の重しに挙げている点を前提に、送金の経路と時期を確かめてください。



北アフリカ


【政策】モロッコ:初の女性の政府首班(首相に当たる職)。El Mansouri氏を国王が任命


モロッコのMohammed VI国王は9月29日、Fatima-Ezzahra El Mansouri氏を、女性として初めて、政府首班(首相に当たる職)に任命しました。


50歳の弁護士で、2009年にマラケシュ初の女性市長になっています。住宅相も務めました。


9月23日の総選挙で、PAM(真正・近代党)が395議席中97議席で第1党になりましたが、過半数には届きません。連立の交渉が必要です。


投票率は38%で、約20年ぶりの低さでした(franceinfo)。


Jeune Afriqueによると、新政権は雇用100万の創出と、最低年金の引き上げを掲げています。財源をどう確保するかが課題と、同誌は書いています。


▶ 日本企業への示唆:モロッコで事業をしている場合は、連立協議の結果と、最低賃金・年金など社会政策の財源の議論を、人件費や税の前提として追ってください。



【政策】エジプト:鉱区の公開入札に119社・403件。鉱業をGDPの約6%に。Chevronも地中海で探鉱契約


エジプトの石油・鉱物資源相のBadawiは9月28日、第5回エジプト鉱業フォーラムで、鉱業のGDPへの寄与を約6%にする目標を示しました。


6月10日に始めた鉱区の公開入札には、3か月で119社が応札し、403件の入札が集まりました。


対象は、提示した335ブロックのうち118ブロック(約4万5,000平方km)で、14社超が外国企業です。金、リン鉱石、タルク、カオリンなどが対象です。


Badawiは、原料の輸出から国内での加工へ移る方針を述べています。


別に、エジプト天然ガス公社(EGAS)は10月5日、米Chevronと、地中海のLotus鉱区の探鉱契約を結びました。


最低投資額は8,800万ドル(約140億円)で、探鉱井2本を掘ります。


▶ 日本企業への示唆:エジプトの鉱業や資源に関心がある場合は、国内加工への方針転換が、鉱物の調達や投資の条件にどう反映されるかを、確かめてください。



【政策】アルジェリア:フランス製品を事実上、輸入計画から除外と報道。当局の公式発表なし


Jeune Afriqueなどは、2026年7月以降、フランス製品が事実上、輸入計画から除外されていると報じています。


ただし、対象の企業への正式な通知は確認されていません。アルジェリア側のパートナー企業が困っていると、同誌は書いています。


JDDなどは、輸入業者に口頭で、輸入計画からフランス製品を外すよう指示が出ていると報じています。医薬品は例外です。


アルジェリア当局は、公式には認めていません。


Jeune Afriqueは、この決定が「40億ドル超」に関わるとしています(約6,300億円)。


仏アルジェリア間の貿易額は、2025年8月〜2026年7月が86億ユーロ(約1.5兆円)で、2024年の112億ユーロから減りました(JDD)。


背景は、フランスがモロッコの西サハラ自治案を支持したことをめぐる、2年来の外交の不和です。


▶ 日本企業への示唆:アルジェリア向けにフランス産の製品や部材を扱う場合は、実際に通関で止まるかを、取引先を通じて確かめてください。



中部アフリカ


【政策】CEMAC:中央銀行BEACが政策金利4.5%を据え置き。IMFの新規プログラムは「基準財政収支−1.5%」が条件と報道


中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC)の中央銀行(BEAC)は9月28日、ヤウンデの金融政策委員会で、政策金利を4.50%に据え置きました。


域内の成長率は、2025年の3.7%から2026年は3.0%に下がる見通しです。


Investir au Camerounは、委員会の場で「権威ある情報源」が語った内容として、次のように伝えています。


2027年に加盟国の1か国でも、CEMACの「基準財政収支」(石油収入を調整した、特別な財政収支の指標)が、GDP比で−1.5%の基準を満たさなければ、IMFは域内で新しいプログラムを結ばないというものです。


通常の財政赤字とは別の指標です。


同紙は、この条件がIMFの公開文書にはまだ見当たらないとも書いています。


前提として、2025年12月から止まっている「域内の約束のレビュー」を、IMFが承認する必要があります。


カメルーン、コンゴ、ガボンは、いまIMFのプログラムがありません。


域内の財政赤字は、2025年に対GDP比で3.3%(世界銀行)、4.5%(BEAC)と、推計が分かれています。BEACは2026年を3.3%と見ています。


▶ 日本企業への示唆:カメルーン・コンゴ・ガボンで政府向けの債権や支払いがある場合は、2027年度予算と基準財政収支の水準、IMFの判断を追ってください。



【政策】コンゴ民主共和国:鉱業法の再改正を検討。税・使用料は約60種、収入は潜在力に届かず


コンゴ民主共和国(DRC)政府が、鉱業法の再改正を検討しています。現行の法は、公布から8年です(RFI、10/1)。


2025年の産出は、銅が300万トン超、コバルトが22万トンでした。政府は、鉱業の収入が潜在力を下回るとみています。


市民社会は、企業が払う税・使用料・手数料が約60種ある点を問題にしています(カーターセンター)。数を減らすよう求めています。


RFIは、中国との合意で作られた鉱山会社Sicominesの特別な税制が、予算省の説明で、国に年間約10億ドル(約1,600億円)の損失を生むと伝えています。


最近の米国との合意も鉱業法に例外を作ると、カーターセンターの担当者は指摘しています。


ザンビアのように、銅の価格に応じて使用料の率を変える方式も提案されています。


RFIは、発言者の説明として「4,500ドル超で4%、9,000ドル超で10%」という数字を伝えていますが、現行のザンビアの制度とは一致しません(現行は、銅が1トン4,000ドル未満で4%、7,000ドル以上で10%の段階制)。


▶ 日本企業への示唆:DRCで鉱山の案件に関わる場合は、改正案が公表されたときに、自社の契約の税・使用料の条項と照らしてください。



今週の数字


今週の数字(アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第1週|ラムDangote製油所の起工、南アのガソリン30ランド超、Tullow仲裁)

  • 160億ドル(約2.5兆円):ラム製油所(ケニア)への投資額。日量70万バレル

  • 6.8%:ケニアの9月のインフレ率。8月は6.6%

  • 30.25ランド(約287円):南アフリカ、ハウテン州の95無鉛ガソリン、1リットルの価格(10月7日から)

  • 1.25億ドル(約198億円):EACの分担金の滞納。2026/27年度の予算は1.1086億ドル

  • 3億9,309万ドル(約620億円):GRAがTullowに査定した総額。ICC仲裁で支持された

  • 10.75%:ザンビアの政策金利。13.25%から2.5ポイント下げ


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換算レート(2026年10月5〜6日時点):1米ドル=158.2円、1ユーロ=177.3円、1ケニアシリング=約1.22円(CBK 10/5 1米ドル=129.76シリング)、1ナイラ=約0.119円(10/5〜6 1,327〜1,333ナイラ/ドル)、1ランド=約9.49円(10/5 16.67ランド/ドル)、1FCFA=約0.270円(1ユーロ=655.957FCFAの固定レートと、上のユーロ円から計算)。


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