アフリカ経済ウィークリー 2026年9月第3週|ケニアSafaricom株売却無効、ウガンダ燃料調達、タンザニア旅行保険

アフリカ各国の現地紙から、今週の「制度・数字・現場」を拾いました。
ケニアと東アフリカを厚めに、ナイジェリア・ガーナ・南アフリカ・モザンビーク・アンゴラ・エジプト・コンゴ民主共和国の現地紙を加えています。
国際媒体に出にくいものを中心に、日本企業のアフリカ担当の方が社内で説明するときの材料としてお使いください。
今週は、ケニアで裁判所が政府の大きな決定を2つ止めた週でした。高裁はSafaricom株15%のVodacomへの売却を無効とし、PPP法の一部も違憲と判断しました。
隣のウガンダでは、ムセベニ大統領がケニア経由の燃料調達を「仲介業者に騙されていた」と語り、ケニア側が反論しています。
ナイジェリアは1月に施行したばかりの税法の見直しに入りました。

今週の3行
ケニア高裁が政府のSafaricom株15%のVodacom売却を無効に。 政府とVodacomは控訴方針。PPP法の一部も違憲判決(効力は6か月猶予)
ナイジェリアの8月のインフレ率は15.39%。 食品は6か月ぶりに低下。ただしガソリンは1リットル1,400ナイラ(約165円)超え
ムセベニ大統領「ケニア経由の燃料は仲介業者に騙されていた」。 タンザニアは外国人訪問者に44ドル(約6,900円)の旅行保険を義務化へ(施行日は未発表)
ケニア・東アフリカ
【政策】ケニア:高裁、政府のSafaricom株15%のVodacom売却を無効に。政府とVodacomは控訴へ
高等裁判所の3人合議体は9月15日、政府が保有するSafaricom株15%を南アフリカのVodacom Groupに売却した取引を無効としました。
取引は6月30日に完了していたものです。判決は、「部分的な株式放出」として説明された取引が、実際にはVodacomにSafaricomの実効支配を与える買収だったと認定しました。
9月17日に公表された判決全文は、理由を3つ挙げています。憲法10条・118条が求める市民参加が無かったこと。
外資が55%の支配的持分を持つ取引なのに、資本市場法・競争法の手続きを踏んでいないこと。
M-Pesaを含む重要インフラの支配移転に、国家安全保障影響評価が無かったことです。
取引助言者のKCB Investment Bankの選定も、憲法227条と公共調達法に反すると判断されました。
15%株式そのものの売却代金は約2,043億シリング(約2,470億円)です。政府は国家インフラ基金と政府系ファンドの元手に充てる予定でした。
これとは別に、政府が保有を続ける20%分の将来配当の前払い402億シリング(約490億円)があり、取引全体の政府受取額は約2,445億シリング(約2,960億円)です。
The Standardは、この約2,450億シリングが返還の対象になり得ると報じています。
財務相John Mbadi氏は、閣議と国会の承認を経た手続きだとして控訴する方針を示しました。
Vodacomも控訴と、判決の効力の一時停止を求める意向を表明しています。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】ケニアで国有資産や重要インフラの取得を検討する場合、市民参加と安全保障影響評価の手続きが裁判で問われる前例になります。
出典:Business Daily(9/15)https://www.businessdailyafrica.com/bd/economy/treasury-s-sale-of-15pc-safaricom-stake-nullified-5596556 / Capital FM(9/17)https://capitalfm.africa/court-cites-public-participation-security-breaches-in-safaricom-stake-sale-nullification/ / The Standard(9/17)https://www.standardmedia.co.ke/business/article/2001557965/treasury-faces-sh245b-refund-bill-in-bungled-safaricom-shares-sale

【政策】ケニア:PPP法の一部が違憲。財政負担を伴う案件に国会承認を求める判決、効力は6か月猶予
高等裁判所は9月17日、官民連携(PPP)法の59条・60条・72条について、政府の支出・保証・公的債務などの財政負担を生むPPP案件を国会の承認なしに進められるようにしている点を違憲としました。
判決は「議会には政府支出と公的債務を監督する憲法上の責任がある」とし、PPPの仕組みを使って国会承認を回避することはできないとしています。
すべてのPPP案件に国会承認が要るわけではなく、判断の軸は「ケニア国民に財政負担が生じるか」です。
判決の効力は6か月間停止され、その間に国会が法改正することになります。次回の期日は2027年5月11日です。
訴えのきっかけは、ジョモ・ケニヤッタ国際空港とKETRACO(送電公社)に関する民間提案型の案件で、いずれも審理までに取り消されていました。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】政府保証や支払い義務を含むPPP案件では、今後の法改正や控訴の結果によって国会承認の工程が加わる可能性があります。手続きの変更を注視してください。
【政策】ケニア:KRA、電子貨物追跡を民間15社に開放。KRA所有の電子シールは10月26日で廃止
ケニア歳入庁(KRA)は9月15日、税関管理下の貨物(主に通過貨物)を追跡する電子貨物追跡システム(RECTS)について、電子シールを提供する民間業者15社を承認したと発表しました。
KRAが所有してきた電子シールは2026年10月26日までに段階的に廃止され、以後は承認業者の機器だけで監視します。
輸入者・輸出者・通関業者・運送業者・保税倉庫事業者などの利用者は、15社から選んで直接契約します。KRAは需要の増加と港の混雑緩和が理由だとしています。
▶ 日本企業への示唆:【期限】モンバサ経由でウガンダ・ルワンダなどへ通過貨物を運んでいる場合、10月26日までに通関業者と「どの承認業者のシールを使うか」「費用は誰が持つか」を決めておく必要があります。
出典:Capital FM(9/15)https://capitalfm.africa/kra-approves-15-vendors-for-electronic-cargo-tracking/ / The EastAfrican(9/16)「Kenya opens cargo tracking to private players」https://www.theeastafrican.co.ke/tea/business-tech/kenya-opens-cargo-tracking-to-private-players-5597592

【政策】ケニア:クリンカー輸入課徴金17.5%は撤廃せず。貿易省が方針を転換
貿易省は、セメントの原料クリンカーの輸入にかかる17.5%の課徴金を撤廃する計画を正式に取り下げました。
Lee Kinyanjui貿易相は、国内でのクリンカー生産が増えたことを理由に挙げています。撤廃案にはルト大統領が反対しており、省との綱引きが続いていました。
▶ 日本企業への示唆:【コスト】ケニアでセメントや建材を輸入している場合、クリンカーの課徴金17.5%は当面そのまま残る前提で原価を組めます。
【政策】ケニア:Kindiki副大統領「国産米を買い上げるまで米は輸入しない」。KNTCに10億シリング
Kindiki副大統領は9月18日、キリニャガ郡ムウェアで、国内の米をすべて買い上げるまで米の輸入を認めないと述べました。
年内の収穫が始まり次第、ケニア国営商事公社(KNTC)が国産の穀物を買い上げられるよう、10億シリング(約12億円)を配分するとしています。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】ケニア向けに米を輸出している、または輸入米を扱っている場合、収穫期(年内)に輸入許可の扱いが変わる可能性があります。
【数字】ケニア:CBK、中核資本が貸出残高の8.625%未満の銀行は配当禁止へ。新しい資本規制の中身
先週お伝えしたケニア中央銀行(CBK)の資本規制案の中身が見えてきました。
Business Dailyによると、中核資本(主にCET1)が貸出残高の8.625%を下回る銀行は配当を払えなくなります。
CET1(普通株式等Tier1)は、普通株式や内部留保などで構成される、最も質の高い自己資本です。CBKは、貸出のリスクに見合う水準で持つよう求めています。
Equity・KCB・Co-op Bankなどの大手には、経済の混乱や公的資金による救済を避けるため、より大きなバッファーが求められます。
同紙は、投資家への配当が圧迫されると書いています。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】ケニアの銀行株を保有している、または現地銀行と長期の取引がある場合、配当方針と貸出姿勢が変わる可能性があります。
【現場】ケニア:エルニーニョで150万人・46郡がリスク。政府が警告、雨は10月から
9月17日時点の政府警告では、エルニーニョによる大雨で最大150万人、46郡がリスクにさらされるとしています。
世界気象機関は、エルニーニョが2027年2月まで続く確率を「ほぼ100%」としています。雨は10月から、特に10〜12月の短雨季に集中する見込みです。
The Starは、アフリカ開発銀行の「大きな影響を受ける経済はGDPの1〜2%を失う」という見方をケニアに単純に当てはめた場合、損失は1,760億〜3,520億シリング(約2,130億〜4,270億円)になると計算しています。
予測ではなく試算です。
世界銀行は緊急対応枠から4億ドル(約628億円)を6週間以内に出す見込みです。副大統領が委員長を務める閣僚特別委員会が6月から準備を進めています。
▶ 日本企業への示唆:【期限】ナイロビ・モンバサ・キスムの低地に事務所や倉庫がある場合、雨が始まる10月までに浸水対策と物流の代替ルートを決めておく必要があります。
【企業】ケニア:Airtel、ケニアの卸売インターネット・光ファイバー子会社を清算へ
Airtel Africaは、設立から2年のケニアの卸売インターネット・光ファイバー子会社Airtel Kenya Telesonicを清算します。
会社登記官によると、同社の申請により2026年12月までに登記から抹消されます。Business Dailyは、収益化に苦しんでいたと書いています。
▶ 日本企業への示唆:【確認】ケニアで同社から卸売回線を借りている場合、契約の移管先を年内に確認してください。
【政策】ウガンダ:ムセベニ大統領「ケニア経由の燃料は仲介業者に騙されていた」。ケニア側は反論
ウガンダのムセベニ大統領は9月17日、ウガンダがケニア経由で燃料を買っていた時期について「ケニアの仲介業者を通して買わされていた」と述べました。
ケニアの政府間(G-to-G)燃料調達については「政府対仲介業者の取引」と呼びました。
エネルギー省の次官Irene Batebe氏が読み上げた数字では、ディーゼルの輸入プレミアム(燃料価格に上乗せされる供給業者の取り分)は1トンあたり118ドル(約18,500円)から83ドル(約13,000円)に下がりました。
ガソリンは97.50ドルから61.50ドル、ジェット燃料は114.25ドルから79.25ドルです。燃料そのものの価格ではなく、上乗せ分の比較です。
ウガンダは2023年の政策転換で、国営石油会社UNOCとVitolの提携による調達に切り替えました。
その前はケニアの石油会社を通じて買っており、貨物の大半はモンバサ港とケニアパイプライン網を通っていました。
ケニア側は、政府報道官が「ウガンダとの関係は良好」と述べ、大統領顧問のDavid Ndii氏は「ケニアが買っている2社は両政府が所有、ウガンダの調達先は民間」と反論しています。
同紙は、ムセベニ大統領が言及した時期は2017年ごろで、2023年に始まったG-to-Gより前だと指摘しています。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】ケニア・ウガンダ間の燃料物流に関わっている場合、両政府の燃料調達をめぐる応酬が今後の規制や通関に影響する可能性があります。
出典:Daily Nation(9/19)https://nation.africa/kenya/news/africa/museveni-says-lies-made-uganda-stop-buying-fuel-from-kenyan-brokers--5601548 / Daily Nation(9/20、プレミアムの説明)https://nation.africa/kenya/business/kenya-defends-local-oil-marketers-uganda-exploitation-claims-5602378 / The Standard(9/20)https://www.standardmedia.co.ke/article/2001558187/g-to-g-fuel-con-museveni-ditches-ruto-says-oil-importation-scheme-swindling-uganda

【政策】タンザニア:外国人旅行保険を義務化へ。44ドル・92日間、施行日は未発表
タンザニアは9月4日に「保険(入国旅行保険)規則2026」を官報に載せました。
空港・港・陸路のいずれから本土に入る外国人にも、有効な入国旅行保険を求めるものです。
保険料は44ドル(約6,900円)で、到着から92日間有効、期間中は複数回の入国ができます。
東アフリカ共同体(EAC)と南部アフリカ開発共同体(SADC)の市民は免除です。
補償は救急医療・医療搬送・本国送還・手荷物の紛失。国営保険公社(NIC)またはその提携保険会社から、渡航前か入国地点で買います。
ザンジバルは2024年10月から別途義務化しています。
施行開始日はまだ発表されていません。Business Dailyは、ケニアも7月に同様の制度を作ったものの、8月に高裁が実施を止めていると書いています。
▶ 日本企業への示唆:【確認】施行開始後は、タンザニア出張者の渡航手配に44ドルの保険購入を組み込む必要があります。現時点では開始日が未発表のため、出張前に最新情報を確認してください。
【数字】EAC:第2四半期の総貿易額が37%増の523億ドル。鉱物輸出が牽引
東アフリカ共同体(EAC)加盟国の2026年第2四半期の総貿易額は前年同期比37%増の523億ドル(約8.2兆円)でした。
輸出は41.3%増の263億ドル、輸入は32.9%増の260億ドルです。
前年同期の9億4,530万ドルの貿易赤字から3億ドルの黒字に転じました。鉱物輸出の急増が主因で、中国向け輸出は57億ドルから107億ドルにほぼ倍増しています。
域内(EAC加盟国どうし)の輸出は33.2%増の32億ドルです。ただし輸出全体に占める割合は12.8%から12.1%に下がっています。
The Citizenは523億ドルを「域内貿易」と書いていますが、EAC事務局の発表では貿易総額です。
▶ 日本企業への示唆:【商機】EAC全体の貿易が急拡大する一方、域内輸出も33.2%増えています。東アフリカを地域単位で生産・物流拠点として見るときの材料になります。
西アフリカ
【企業】ナイジェリア:Dangote製油所IPOが9月14日に開始。10月13日まで。「初日1.5兆ナイラ」はNGXが訂正
Dangote製油所の新規株式公開(IPO)が9月14日、ナイジェリア証券取引所(NGX)で始まりました。
新株41億株を1株525ナイラ(約62円)で売り出し、総額2.15兆ナイラ(約2,540億円)。最低申込みは10株(5,250ナイラ、約620円)です。
申込みの締め切りは10月13日。NGXの66年の歴史で初めての製油所IPOです。
先週号で触れた「初日1時間で1.5兆ナイラの申込み」は、NGXが「誤って公表した数字で、実際の申込額ではない」と訂正しました。訂正してお詫びします。
証券会社GTIは1株の適正価格を493ナイラと、公開価格の525ナイラより低く見積もっており、Nairametricsは評価をめぐる議論が続いていると書いています。
ケニアのThe Standardは、アフリカの証券取引所がケニア投資家の参加ルートを検討していると伝えています。
同紙によると、Dangote Industriesはケニア・ラム製油所(1.95兆シリング、約150億ドル・約2.36兆円)の起工式を9月30日に予定しています。
▶ 日本企業への示唆:【確認】ラム製油所の起工式が9月30日に予定どおり行われるかは、ケニアの石油下流の投資判断の前提になります。当日の現地報道を確認してください。
出典:Vanguard(9/14)https://www.vanguardngr.com/2026/09/dangote-launches-refinerys-n2-15tn-ipo-on-ngx/ / Nairametrics(9/14、NGXの訂正)https://nairametrics.com/2026/09/14/investors-pour-n1-5-trillion-into-dangote-refinerys-ipo-within-first-hour-of-trading/ / Nairametrics(9/17)https://nairametrics.com/2026/09/17/gti-values-dangote-refinery-at-n493-below-n525-ipo-price-as-valuation-debate-intensifies/ / The Standard(9/15)https://www.standardmedia.co.ke/business/article/2001557792/lamu-refinery-set-for-september-30-groundbreaking-as-dangote-ipo-opens-in-lagos / The Standard(9/19)https://www.standardmedia.co.ke/business/article/2001558184/can-kenyans-buy-dangote-refinery-shares-here-is-all-you-need-to-know
【数字】ナイジェリア:8月のインフレ率15.39%。食品インフレは6か月ぶりに低下
国家統計局(NBS)が9月14日に発表した8月の消費者物価は、前年比15.39%でした。
7月の15.43%からわずかに下がり、前年同月の23.14%からは大きく下がっています。
食品インフレは前年比19.57%(前年同月25.30%)で、前月比は1.02%と7月の5.56%から急減しました。
コアインフレは13.29%で、前月比はマイナス0.06%です。
Punchは、民間セクター団体(OPS)が燃料価格の上昇を今後のリスクとして挙げていると書いています。
▶ 日本企業への示唆:【コスト】ナイジェリアの価格改定や賃金交渉では、物価の伸びが鈍った一方で燃料コストが上がっている点を分けて見ると、説明がしやすくなります。
出典:Nairametrics(9/15)https://nairametrics.com/2026/09/15/nigerias-headline-inflation-eases-to-15-39-in-august/ / 国家統計局(NBS)CPI https://www.nigerianstat.gov.ng/ / Punch(9/16)https://punchng.com/inflation-eases-to-15-39-as-ops-flags-energy-threat/
【現場】ナイジェリア:ガソリンが1リットル1,400ナイラ超え。NMDPRA「価格は決めない」、労組は賃上げを要求
ガソリンの店頭価格はラゴスで1リットル1,400〜1,430ナイラ(約165〜169円)、アブジャで1,400〜1,450ナイラ(約165〜171円)に上がっています。
ホルムズ海峡をめぐる緊張で原油が1バレル100ドルを超えたためです。
規制当局のNMDPRAは9月19日、「当局は店頭価格を決めず、価格テンプレートも出さない」とし、密輸の監視と、消費者保護委員会と組んだ便乗値上げ・量目不足の調査を強めると発表しました。
ナイジェリア労働会議(NLC)は、交通費の上昇を理由に即時の賃金手当、国内製油所への原油供給拡大、貯蔵能力の拡大を求めています。
▶ 日本企業への示唆:【コスト】ナイジェリアの現地法人では、通勤手当や輸送費の見直し要求が出る前提で、9月以降の人件費を見ておくと備えになります。
【政策】ナイジェリア:連邦政府が税法の見直しに着手。6週間で提言、2027年財政法案へ
タイウォ・オイェデレ(Taiwo Oyedele)財務相兼経済調整相(前・大統領財政政策・税制改革委員会委員長)は9月17日、「財政政策・税制改革技術小委員会」を発足させました。
提言は6週間以内にまとめるよう指示しています。
対象は、今年1月に施行された4つの主要税法の実施上の問題です。
付加価値税(VAT)の登録基準、源泉徴収税のルール、ナイジェリアに「重要な経済的存在」を持つ企業の扱い、キャピタルゲイン課税、二重課税などを見直します。
提言は2027年財政法案に反映されます。オイェデレ財務相は「良い改革は出来事ではなく過程だ」と述べました。
▶ 日本企業への示唆:【確認】ナイジェリアに拠点を持たずに売上がある企業は、「重要な経済的存在」の扱いが見直し対象に入っている点を税務担当と共有しておいてください。
【政策】ナイジェリア:NUPRC、未開発の石油鉱区に「掘るか手放すか」。10月31日が期限
上流石油規制委員会(NUPRC)は9月14日付の通達で、石油産業法(PIA)2021の「掘るか手放すか(drill-or-drop)」条項の執行を通知しました。
対象は2020年の限界油田入札で交付された探鉱ライセンス50件を含む、3回の入札で選ばれた少なくとも62の事業者です。
期限は10月31日で、履行状況と障害、改訂した実施計画の提出を求めています。
NUPRCは、延長拒否・返還要求・履行保証の取り立て・取消手続きを選択肢として挙げつつ、「目的は生産の増加であって没収ではない」としています。
▶ 日本企業への示唆:【期限】ナイジェリアの上流権益に出資している場合、パートナーの鉱区が対象に入っていないか、10月31日までに確認してください。
【数字】ガーナ:燃料の下限価格を引き上げ、ガソリン16セディに。BOSTは「燃料不足はない」
国家石油庁(NPA)は9月16日から、ガソリンの下限価格を1リットル14.53セディから16.00セディ(約218円)に引き上げました。
ディーゼルは15.60セディから16.77セディ(約228円)です。
LPGは1キロ10.97セディです。
石油消費者会議所(COPEC)によると、この価格期間中に原油は1バレル89.30ドルから103.07ドルに上がりました。
COPECは店頭のディーゼルが19.07セディまで上がると見ています。
貯蔵・輸送公社のBOSTは9月17日、ブルキナファソ・マリ向けの燃料輸出の削減について「北部ボルガタンガ基地の改修が理由で、国内の燃料不足は差し迫っていない」と説明しました。
▶ 日本企業への示唆:【確認】ガーナから内陸国へ燃料や物資を運んでいる場合、ボルガタンガ基地の改修が終わるまでテマからの陸送に切り替わっている点を、輸送業者に確認してください。
南部アフリカ
【政策】南アフリカ:米国が土地収用・人種政策を理由に南ア当局者へのビザ制限。南ア政府は反発
米国のRubio国務長官は9月15日、「無補償の土地収用や人種に基づく差別を可能にする法律・政策の制定・実施に責任がある、または加担した外国人」を対象にした新しいビザ制限を発表しました。
根拠は移民国籍法212条(a)(3)(C)で、対象者の名前は公表されていません。南アの収用法やBEE(黒人経済力強化)が念頭にあります。
南アのLamola国際関係相は「南アは、米国が個別の政策について異なる見方を持つことを尊重する」と述べつつ、少数派を代弁すると称する一部団体が国内政策を歪めて伝えていると反論しました。
▶ 日本企業への示唆:【確認】南ア政府関係者との米国出張や会議を予定している場合は、対象者や運用についての追加発表を確認してください。制限の対象は、米国が指定する政策に「責任がある、または加担した」と判断された人物です。
出典:IOL(9/16)https://iol.co.za/news/politics/2026-09-16-think-twice-rubios-visa-threat-to-sa-politicians/ / The EastAfrican(9/17)「South Africa pushes back against new US visa curbs」https://www.theeastafrican.co.ke/tea/news/southern-africa/south-africa-pushes-back-against-new-us-visa-curbs-5598208
【政策】南アフリカ:「競争当局が機能不全で合併が通らない」。元競争控訴裁判所長官が警告
元競争控訴裁判所長官のDennis Davis氏は、南アの競争当局が「ほぼ崩壊に近い状態」にあり、「もう合併を通せない」と警告しました。
Moneywebによると、競争審判所は法務スタッフが足りず、合併審査を迅速に処理できません。
Pepkorが2024年9月に発表したShopriteの家具事業(OK Furniture・House & Home)の30億ランド(約290億円)での買収は、2年経っても完了していません。
Davis氏は、競合他社が介入権を使って承認を遅らせられる判例も問題だとし、「2〜4か月で合併が終わらなければ、企業は南アを避けて他のアフリカ諸国で案件を進める」と述べました。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】南アでM&Aを検討する場合、競争当局の審査に1年以上かかる可能性を、契約の期限条項と資金計画に織り込んでおくと安全です。
【数字】モザンビーク:IMFミッション終了。「スタッフレベル合意への道を開く」、11月に条件を協議
国際通貨基金(IMF)のミッションが9月9〜18日にマプトを訪れ、拡大信用ファシリティ(ECF)による新プログラムに向けた協議を行いました。
財務省は、今回の協議が「スタッフレベル合意への道を開く」とし、プログラムの条件・指標・目標を協議するミッションを2026年11月に予定していると発表しました。
政府は年内の合意を目指しています。
IMF側は「大きな財政・対外不均衡、厳しい資金調達環境、気候ショック、エネルギー関連の混乱」を挙げつつ、経済活動は回復の兆しがあり、インフレは抑制されていると評価しました。
モザンビークは3月に6億9,860万ドル(約1,100億円)のIMF債務を繰り上げ返済しています。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】モザンビークのLNG関連や公共案件で政府の支払いに関わる場合、IMFプログラムの成立時期(早くて年内)が国庫の流動性を左右します。
出典:Club of Mozambique(9/18)https://clubofmozambique.com/news/just-in-foundations-laid-for-imf-agreement-mozambique-government-says/ / Club of Mozambique(9/18、IMF声明全文)https://clubofmozambique.com/news/just-in-imf-staff-mission-to-mozambique-unabridged/
【数字】アンゴラ:中銀が政策金利を15.75%から14.75%に引き下げ
アンゴラ国立銀行(BNA)は9月14〜15日の金融政策委員会で、政策金利を1ポイント下げて14.75%としました。
Financial Afrikによると、理由はインフレ指標の改善と、短期・中期の物価見通しが好転したことです。
▶ 日本企業への示唆:【商機】アンゴラで現地通貨建ての取引や借入がある場合、金利の下降局面に入った点を資金計画に反映できます。
出典:Financial Afrik(9/16、仏語)https://www.financialafrik.com/2026/09/16/angola-la-bna-abaisse-son-taux-directeur-de-1575-a-1475/
北アフリカ
【政策】エジプト:不動産開発業者の格付けと連盟設立を定める市場規制法案。停滞案件の解決を狙う
Madbouly首相は9月15日、不動産市場規制法案を開発業者と検討しました。
開発業者の連盟を設立し、施工実績・財務健全性・実行能力による統一の格付けを義務づける内容です。
政府は、引き渡しが滞っている案件を全国で洗い出し、解決の仕組みを作るとしています。法案は対話を経て閣議、国会に送られます。
住宅相は、格付けで基準を満たさない業者を厳しく監視し、買い手の保護と市場の透明性を高めるとしています。
▶ 日本企業への示唆:【商機】エジプトで不動産開発や建材の販売先を選ぶ場合、この格付けが取引先の信用を判断する公的な基準になる可能性があります。
【政策】エジプト:税金の支払いに使える「タックス・スクーク」を数週間内に発行へ。利子は非課税
エジプト税務庁(ETA)のRasha Abdel Aal長官は、納税者向けの資金調達手段として「タックス・スクーク」を数週間内に国内市場で発行すると述べました。
スクークはイスラム金融の債券にあたるもので、利回りや条件を最終調整中です。利子は法律で非課税とし、納税者は規則に従って納税に充てられます。
▶ 日本企業への示唆:【確認】エジプトの現地法人で余剰資金の運用先や納税資金の管理を検討している場合、発行条件が出た時点で税務担当と確認してください。
中部アフリカ
【現場】コンゴ民主共和国:憲法改正に反対する野党のデモで死者。与党は22日に行進を予定
野党連合「第64条連合(C64)」は9月15日、憲法改正と国民投票に反対するデモをキンシャサで行いました。
C64は、改正や国民投票が大統領の3選(現行の2期制限は2028年まで)につながる可能性を警戒しています。
国家人権委員会(CNDH)は、リメテ地区の10〜12番街で刃物や棒を持った集団がデモの進行を妨げたと報告し、独立した調査を求めました。
C64は幹部1人が負傷後に死亡し、重傷者が複数出たとしています。
与党UDPSはデモを「失敗」と呼び、9月22日に対話と国民投票への支持を掲げる行進を予定していると発表しました。
▶ 日本企業への示唆:【リスク】キンシャサに駐在員がいる場合、9月22日の与党の行進の経路と交通規制を事前に確認してください。
今週の数字

2,043億シリング(約2,470億円):高裁が無効としたSafaricom株15%の売却代金(配当前払い402億は別)
150万人:エルニーニョでリスクにさらされるケニアの人口。46郡
44ドル(約6,900円):タンザニアが外国人訪問者に義務づける旅行保険。92日間有効
15.39%:ナイジェリアの8月のインフレ率。食品は6か月ぶりに低下
16.00セディ(約218円):ガーナのガソリン下限価格。9月16日から
14.75%:アンゴラの政策金利。1ポイント引き下げ
深掘りはnoteで
アフリカ史上最大IPOへ!ダンゴテ製油所が8,000億円調達を狙う理由!〜前編〜(8/30)/〜後編〜(8/31)※当初計画(約50億ドル)を扱った記事。正式なIPO規模は2.15兆ナイラ(約16億ドル)に決まりました
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換算レート(2026年9月21日時点):1米ドル=157円、1ユーロ=180円、1ケニアシリング=約1.21円(1米ドル=129.44シリング、CBK週報)、1ナイラ=約0.118円(CBN公式窓口 9/19 1,331ナイラ/ドル)、1ランド=約9.65円(9/18 16.26ランド/ドル)、1ガーナセディ=約13.6円(ガーナ中銀 9/18 仲値 11.52セディ/ドル)。



