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アフリカ経済ウィークリー 2026年9月第2週|ケニアKRAの輸入新ルール、Dangote製油所の値上げとIPO、南アOmnia買収提案

24 時間前
読了時間: 18分

アフリカ各国の現地紙から、今週の「制度・数字・現場」を拾いました。


ケニアと東アフリカを厚めに、ナイジェリア・ガーナ・南アフリカ・エジプト・コンゴ民主共和国の現地紙を加えています。


国際媒体に出にくいものを中心に、日本企業のアフリカ担当の方が社内で説明するときの材料としてお使いください。


今週は、中東情勢の悪化が燃料価格の形でアフリカ各地に届いた週でした。ケニアは燃料価格を据え置いたものの供給ルートに不安が出て、ナイジェリアではDangote製油所が22日間で4回目の値上げをしました。


制度面では、ケニアのKRAが輸入時に「輸出国側の申告書」を求め始めて港が滞り、南アでは肥料・化学のOmniaにインド企業から買収提案が出ています。


今週取り上げた国と本数の地図(アフリカ現地紙ウォッチ 2026年9月第2週)

今週の3行


  • ケニアKRAが9月1日から輸入時に「輸出国側の申告書」を要求。 モンバサ港で通関が滞る。ガーナの港も混雑で荷がアビジャンに流れる恐れ

  • ナイジェリアDangote製油所がガソリン出荷価格を1,350ナイラ(約158円)に。 8月21日から4回目の値上げ。同社のIPOは初日1時間で1.5兆ナイラ(約1,760億円)の申込み

  • ケニアは2027年8月10日の総選挙を告示。 野党の初のナイロビ集会は催涙ガスなしで終わった


ケニア・東アフリカ


【政策】ケニア:KRA、輸入時に輸出国側の申告書を要求。モンバサ港で通関が滞る


2026年財政法(Finance Act 2026)に基づき、9月1日から、輸入者は輸出国で発行された輸出申告書(輸出者・輸入者・品目・価額・関税分類・輸出国を記載したもの)を取得・保管しなければならなくなりました。


ケニア歳入庁(KRA)は税務手続法23B条を根拠に「法律上の要件であり、苦情を理由に停止はできない」としています。


通関業者は、車両とウガンダ・ルワンダ・南スーダン・コンゴ東部向けの通過貨物がモンバサ港、コンテナ・フレート・ステーション、内陸コンテナデポで滞留し、保管料や滞船料が発生していると訴えています。


▶ 日本企業への示唆:ケニア向け・ケニア経由の輸出では、日本側で輸出申告書の写しを取り、現地の輸入者に渡す運用が必要になります。



ケニアKRAの新しい輸入書類要件の流れ図(誰が何をいつ出すか)

【政策】ケニア:外国人小規模商人の取り締まり、5日の期限から「90日間の登録期間」に変更


9月2日にルト大統領が命じた外国人の行商・小規模小売の取り締まりは、9月8日に大統領府報道官Hussein Mohamed氏が「90日間の正規化期間」を設けると発表し、5日の期限は取り下げられました。


期間中に登録手続きをしている人は合法的に滞在しているものとみなされます。東アフリカ共同体(EAC)出身者の国外退去も止まっています。


その後、外国人を脅して金銭を要求したとしてケニア人4人が起訴され(Daily Nation 9/9)、大統領は9月13日に「ケニアで商売をする外国人を標的にするな」と国民に警告しました。


同じ動きはケニアだけではありません(西アフリカの項、Agence Ecofinの記事を参照)。


▶ 日本企業への示唆:現地法人の外国籍スタッフ(駐在員を含む)の就労許可・登録の有効期限を、この90日のうちに確認しておくのが安全です。



【政策】ケニア:Tata Chemicals退去命令、現地紙が「投資家が警戒」と報じ始める


ルト大統領がソーダ灰生産のTata Chemicals(インド系。ケニアで114年操業)に操業停止と退去を命じた問題で、The Standardは「命令が出たり引っ込んだりするなかで投資家が警戒し、選挙前の政治介入が新興国の信頼を損なう教科書的な例になりつつある」と書きました。


Business Dailyのコラムは、法的には収用ではなく(ケニアはMIGA・ICSIDの締約国で外国投資保護法も残る)、ただし「1か月の予告で100年の許可を止めた」という事実がムンバイ・ロンドン・北京の役員会では資源分野のリスク評価の基準になりうる、と指摘しています。


同コラムは、審議中のLocal Content Bill(現地雇用80%、罰金最大1億シリング=約1.2億円)と鉱業の現地資本35%要件を挙げ、「方針は正しいが、事前に公表した基準ではなく停止命令で伝えたのが問題」としています。


▶ 日本企業への示唆:資源・製造分野でケニアの許認可を持つ場合、現地付加価値(現地加工・現地雇用)の要求水準が上がる前提で、社内のリスク説明を更新しておく必要があります。



【政策】ケニア:高裁、配車アプリの手数料上限18%を無効に。Boltが政府に勝訴


ナイロビ高等裁判所(Roselyn Aburili判事)は9月15日、運輸安全庁(NTSA)の配車事業規則(2022年法的通知120号)を、公衆参加の手続きを欠くとして違憲・無効と判断しました。


規則にあったプラットフォーム手数料の上限18%は執行できなくなり、手数料は当事者間の交渉で決めるべきだとしています。


判事は、デジタルプラットフォームだけに厳しい規制を課し、従来のタクシー事業者を除外しているのは不平等だとも述べました。


▶ 日本企業への示唆:ケニアでは規則の制定手続き(公衆参加)の不備を理由に規制が無効になる例があります。新しい規制への対応を決める前に、施行の確度を現地の弁護士に確認する価値があります。



【政策】ケニア:CAKがアサヒによるEABL買収を条件付きで承認。冷蔵庫の20%を競合に開放


競争当局(CAK)は、DiageoがEABL株65%をアサヒグループに売却する取引(23億5,400万ドル、約3,640億円。


UDV Kenya株と合わせて総額3,882億シリング、約4,630億円)を条件付きで承認しました。


条件は、EABLが小売店に置く冷蔵庫のスペースの20%を競合ブランドに開放すること(現在は競合品の保管を禁じています)と、係争中の訴訟を含む将来の債務に備えた資金を確保することです。


▶ 日本企業への示唆:ケニアのM&Aでは、市場支配力に関わる「行為の条件」が承認に付くことがあります。買収後の販売慣行まで審査対象になる前提で計画を組む必要があります。



【政策】ケニア:研究許可(NACOSTI)の手数料、10月1日から17年ぶりに引き上げ


ケニアで調査研究を行うのに必要なNACOSTI(国家科学技術イノベーション委員会)の許可料が、10月1日から上がります


ケニア・EAC出身の修士は1,000シリングから6,000シリング(約7,200円)、博士は2,000から10,000シリング(約1万2,000円)へ。


EAC外のアフリカ出身者は修士350ドルから400ドル(約6.2万円)、ポスドク500ドルから750ドル(約11.6万円)です。


改定は2009年以来で、物価上昇を理由としています。


▶ 日本企業への示唆:ケニアで市場調査や実証事業に研究許可を使っている場合、10月以降の予算を見直してください。日本を含むアフリカ外の申請者の新料金は、記事には記載がありません。



【数字】ケニア:燃料価格は据え置き。ただしサウジの東西パイプライン停止で供給不安


エネルギー石油規制庁(EPRA)は9月14日の月次改定で燃料価格を据え置きました。


ナイロビの小売価格はガソリン1リットル214.03シリング(約256円)、ディーゼル217.86シリング(約260円)、灯油191.38シリング(約229円)で、10月14日までです。


一方で供給側は悪化しています。米・イスラエルとイランの戦闘でホルムズ海峡の通航が滞り(戦前の1日約2,000万バレルから600〜900万バレルに減少とロイターが報道)、ケニアは海峡を迂回するサウジアラビアの東西パイプライン経由の供給に頼ってきました。


そのパイプラインが、リヤドとメディナ周辺でのドローン攻撃を受けて予防的に停止されました


エネルギー石油担当のOpiyo Wandayi閣僚はBusiness Dailyに「新しい展開のたびに事態は複雑になる」と述べています。


ケニアは2023年3月から政府間(G-to-G)契約でSaudi Aramco・ADNOC・ENOCから180日の支払猶予で燃料を輸入しており、5月までの四半期にはサウジからの輸入額(997.8億シリング、約1,190億円)がUAE(421.0億シリング、約503億円)の2倍を超えていました。


▶ 日本企業への示唆:ケニアの燃料・物流コストは、10月の次回改定で上がる可能性を織り込んで見積もる必要があります。



ナイロビの燃料小売価格の推移 2006年〜2026年9月(ガソリン・ディーゼル・灯油)

【数字】ケニア:外貨準備152.5億ドルに回復。CBKは大手銀行に追加の自己資本を要求へ


ケニア中央銀行(CBK)の週報によると、外貨準備は9月10日時点で152.5億ドル(約2.36兆円)と、前週から約3.7億ドル増え、3週連続の減少から回復しました。


輸入の6.3か月分で、法定の4か月分を上回っています。


シリングは週平均で1ドル129.44と、ほぼ横ばいです。


CBKはまた、Equity・KCB・Co-op Bankなど「国内のシステム上重要な銀行」に、通常より厚いCET1(普通株式等Tier1。


銀行がいちばん厚く持つべき自己資本)を求める監督枠組みを提案しました。


Business Dailyは、内部留保を積む必要から大手銀行の配当が抑えられる可能性を指摘しています。


上場12行が2025年度に支払った配当は合計1,172億シリング(約1,400億円)で、ナイロビ証券取引所の上場企業全体の配当のほぼ半分を占めています。


▶ 日本企業への示唆:ケニアの大手銀行に出資・提携している場合、配当方針の変更が議題になりえます。



【現場】ケニア:2027年8月10日の総選挙を告示。野党の初のナイロビ集会は催涙ガスなし、エンブでは1人死亡


独立選挙管理委員会(IEBC)は9月14日、2027年8月10日の総選挙の告示を官報に載せました


政党の候補者指名、有権者登録、公務員の立候補などの法定期限が順に動き出します。


前日の9月13日(日)には、Edwin Sifuna上院議員が率いる野党運動Linda Mwananchiがナイロビで初めての集会を開きました。


中心街の教会から市場を回ってジャカランダ広場まで進み、催涙ガスも暴力もなく終わりました。


8月16日のホマベイの集会では警察官を含む死者が出ており、The Starは「野党集会=衝突という図式が変わるか」と書いています。


他方、9月12日にはエンブで副大統領Kindiki氏の集会中に若者と警察が衝突し、1人が死亡、車両が焼かれました。


▶ 日本企業への示唆:選挙まで11か月。許認可・入札・政策決定が選挙日程に左右される期間に入りました。集会の日は市街地の移動が止まるので、駐在員の外出予定は週末の政治日程を見て組む必要があります。



【現場】ケニア:ソマリア沖の海賊、モンバサ向け肥料船を4か月半ぶりに解放。身代金は推定170万ドル


4月26日から拿捕されていたトルコ管理の貨物船MV Sward(セントクリストファー・ネイビス籍)が、プントランド沿岸のガラカド沖で解放されました。


積荷はモンバサ向けの肥料約4,500トンで、身代金は推定170万ドル(2億1,930万シリング、約2.6億円)とされています。


海賊はこの船を母船として使い、より沖合で他の船を襲っていたとのことです。


▶ 日本企業への示唆:モンバサ向けの海上輸送では、アフリカの角沖の海賊リスクが保険料と納期に戻ってきています。



【企業】ケニア:標準軌鉄道(SGR)、2017年の開業以来初めて営業黒字。貨物820万トン


ケニア鉄道公社(KRC)の年次報告によると、モンバサ〜ナイロビの標準軌鉄道(SGR)は2025/26年度に32億シリング(約38億円)の営業利益を出しました。


開業から9年で初めてです。


貨物は820万トン(前年度704万トン)で過去最高、収入は218億シリング(約260億円)で公社の営業収入の84%を占めます。


KRCのPhilip Mainga総裁は、公社がSGRの運行を全面的に引き継いだと明らかにしています。


建設費はモンバサ〜ナイロビが3,270億シリング(約3,900億円)、ナイロビ〜ナイバシャ延伸が1,500億シリング(約1,790億円)で、大半が中国政府の融資です。


▶ 日本企業への示唆:モンバサ港からナイロビへの内陸輸送は、SGR貨物の利用が定着してきています。物流の見積もりでトラックと比較する材料になります。



【企業】ケニア:Twiga Foods、管財人の管理下に。累計調達1億8,540万ドルのスタートアップ


ケニアで最も多く資金を集めたスタートアップの一つTwiga Foods(法人名GT Flow Limited、旧Twiga Foods One Limited)が、8月17日付で管財手続きに入ったことが9月11日の官報で分かりました。


管財人はMohamed Mohamed氏で、取締役は管財人の許可なく会社の資産を扱えません。


2014年創業、農家と小規模小売店をつなぐ流通網を作り、累計1億8,540万ドル(約286億円)を調達。


2023年12月の3,500万ドルの転換社債を最後に、人員削減と事業再編を続けていました。


▶ 日本企業への示唆:ケニアのスタートアップとの提携・出資では、資金調達額の大きさと事業の持続性は別だという例です。



【現場】タンザニア:ダルエスサラームBRT第5期、965.7億シリングの補償未払いで工事が止まる恐れ


ダルエスサラームのバス高速輸送(BRT)第5期(全長25.7km、1億7,800万ユーロ=約317億円、主にフランス開発庁AFDが融資)は、当初2023年着工・2025年完成の予定でした。


用地の補償金965.7億タンザニアシリング(約3,230万ユーロ、約58億円)が払われておらず、会計検査院(CAG)は「遅れれば建設費が増え、業者からの追加請求を招く」と警告しています。


補償の責任をめぐって、BRT運営庁(Dart)と財務省、首相府地方自治局(PMO-RALG)が責任を押し付け合っている状態です。


▶ 日本企業への示唆:タンザニアのインフラ案件では、用地補償の資金手当てが工程の最大のリスクの一つです。入札前に補償の進み具合を確認する必要があります。



西アフリカ


【数字】ナイジェリア:Dangote製油所、ガソリン出荷価格を1,350ナイラに。8月21日から4回目の値上げ


Dangote製油所は9月11日、ガソリンの出荷(ガントリー)価格を1リットル85ナイラ引き上げて1,350ナイラ(約158円)にしました


原油価格の上昇と在庫の補充コスト増が理由です。


8月21日に1,165から1,185ナイラ、26日に1,200、29日に1,265と上げてきており、22日間で185ナイラ(15.9%)の値上げになります。


BusinessDayによると、この価格は輸入ガソリンの陸揚げコスト(1,311.36ナイラ)を上回りました。


Nairametricsは9月14日、サウジのパイプライン停止を受けてナイジェリア産原油が1バレル115ドルを超えたと報じています。


▶ 日本企業への示唆:ナイジェリアの物流・発電コストは、原油高がそのまま国内価格に転嫁される構造になっています。9月以降の見積もりは月単位で見直す必要があります。



【企業】ナイジェリア:Dangote製油所のIPOが開始。初日1時間で1.5兆ナイラの申込み、SECが非公式経路に警告


Dangote製油所の新規株式公開(IPO)が9月14日に始まりました。


新株41億株を1株525ナイラで売り出し、調達額は約2.15兆ナイラ(16.3億ドル、約2,520億円)。


開始から1時間で1.5兆ナイラ(約1,760億円)の申込みが入ったとNairametricsは報じています。


証券取引委員会(SEC)は、正規の申込み経路以外を使わないよう投資家に警告しました。投資アプリBambooはアクセス集中で落ちています。


申込みは10月13日に締め切り、11月にナイジェリア証券取引所(NGX)で取引が始まる予定です。


調達資金は精製能力を日量140万バレルに拡張する費用の一部に充てられます。


▶ 日本企業への示唆:ナイジェリアの個人投資家の資金がこれだけ短時間で動いた例は珍しく、現地資本市場の厚みを測る材料になります。



【政策】ガーナ:シアナッツの輸出全面禁止案に業者団体が「20〜30%の輸出枠を」


ガーナ政府が検討する原料シアナッツの輸出禁止について、ガーナ・シア雇用者協会のRabiatu Abukari会長は、国内の加工能力が生産量を吸収できなければ全面禁止は混乱を招くとして、20〜30%程度は輸出を認め、残りを国内加工に回す案を提案しました。


国内の加工業者側は即時の禁止を求めています。シアナッツの価格は2kgボウルあたり年初のGH¢14(約190円)からGH¢60(約810円)に跳ね上がっており、採集と小規模加工の9割超を占める女性に影響が出ています。


▶ 日本企業への示唆:シアバターを原料に使う場合、ガーナ産の調達は「国内加工品のみ」になる可能性を織り込む必要があります。隣国ナイジェリアはすでに輸出禁止を延長しています。



【現場】ガーナ:港の混雑で、輸入貨物がアビジャンに流れる恐れ。コンテナの74%が開披検査


ガーナ輸出入業者協会(IEAG)は、テマ港などの混雑と通関の遅れで、一部の輸入業者がコートジボワールのアビジャン港経由への切り替えを検討し始めていると警告しました。


原因として、スキャン後のコンテナの約74%が「赤チャネル」(開披検査)に回されること、繰り返しの検査、トラックの回転の遅さ、GSA・FDA・EPAなど規制機関の手数料の上昇を挙げています。


協会は大統領府官房長官に対し、財務・貿易・運輸の各大臣と港湾・規制機関を集めた対策会議を求めています。政府はテマ港の拡張を表明しています。


▶ 日本企業への示唆:ガーナ向け貨物の納期見積もりには、港での滞留日数を余分に見込む必要があります。ケニアのモンバサ港と同じく、西アフリカでも通関の目詰まりが起きています。



【政策】仏語圏・汎アフリカ:外国人の小規模事業を制限する動きは、ケニアだけでなくタンザニア・ガボンにも


Agence Ecofin(仏語)は、雇用創出が追いつかないなかで、複数のアフリカ政府が外国人の特定の経済活動を制限したり、一部業種を自国民に限定したりする動きを強めていると整理しています。


9月2日のケニアの発表のほか、タンザニアとガボンが数日違いで、非公式な商業の複数分野で外国人の小規模事業を禁じる措置を発表したとしています。


▶ 日本企業への示唆:「外国人が営めない業種」のリストは国ごとに増えつつあります。小売・サービス分野で現地展開を考える場合、対象業種の確認が国ごとに必要です。



南部アフリカ


【企業】南アフリカ:肥料・化学のOmniaにインドSolar Industriesが218億ランドで買収提案。JSE上場廃止へ


Omnia Holdingsは9月14日、インドの火薬・爆薬大手Solar Industriesの子会社から1株134.50ランド(約1,280円)、総額約218億ランド(約2,070億円)の買収提案を受けたと発表しました。


提案前日の終値102.69ランドに対し31%のプレミアムです。Solarは買収後にOmniaをヨハネスブルグ証券取引所(JSE)から上場廃止し、非公開会社として運営する方針で、約50年の上場に幕を引くことになります。


株主と規制当局の承認を経て、2027年前半から半ばの完了を目指します。


▶ 日本企業への示唆:南アの中堅製造業がインド資本に移る例です。南アで農業資材・鉱山向け化学品を扱う場合、取引先の資本関係が変わる可能性があります。



【数字】南アフリカ:製油所の閉鎖で2021〜24年の燃料輸入が760億ランド増、雇用5,400人減(準備銀行の試算)


南アフリカ準備銀行(SARB)のエコノミストは、2020年以降に国内精製能力のほぼ半分にあたる製油所が閉鎖された結果、2021〜24年に精製石油製品の輸入が760億ランド(46.8億ドル、約7,230億円)余計にかかり、直接・間接で約5,400人の雇用が失われたと試算しました。


輸入比率が2010年代の水準(約25%)にとどまっていれば、石油の輸入額は平均6.1%低かったとしています。


老朽化した設備、高い運転コスト、長引く規制の不透明さが新規投資を妨げたと分析しています。


▶ 日本企業への示唆:南アの燃料価格は国際市況と海上輸送の影響を受けやすくなっています。原油高の局面ではランド安と合わせてコストが動きます。



【現場】南アフリカ:鉱山会社が「スーパーエルニーニョ」に備え。気象局は「観測史上最強になる可能性」


南アフリカ気象局(SAWS)は、発達中のエルニーニョがさらに強まり、観測史上最強になる可能性があるとしています


2026/27年の春から夏にかけて降雨が平年を下回り、熱波が予想されます。


鉱山会社は、処理工程に必要な水の不足と電力の逼迫、逆に短時間の豪雨による操業停止の両方に備えています。


アフリカ開発銀行(AfDB)は、スーパーエルニーニョがアフリカ全体で100億〜200億ドルの損失をもたらしうると見積もっています。


▶ 日本企業への示唆:南部アフリカの鉱山・農業案件は、10月以降の水と電力の制約を工程に見込む必要があります。東アフリカでは逆に大雨の予報で、影響の出方が地域で反対になります。



【企業】モザンビーク:Rovuma LNG、最終投資決定の前に契約が続く。現地2社に物流契約


ExxonMobilが主導する北部モザンビークのRovuma LNGで、9月11日にモザンビークの2社(CFML LogisticとAlistair Group Mozambique)が物流契約を獲得しました。


最終投資決定(FID)はまだ出ていませんが、ExxonMobilは第1期向けに約11億ドル(約1,700億円)の事前契約を発注済みです。


Agence Ecofinは、これらは製造に時間のかかる設備を先に押さえて工程を守るための発注であり、建設そのものの発注とは違うと注意を促しています。


▶ 日本企業への示唆:Rovuma LNGはまだFID前です。関連の受注や物流の案件を検討する場合、「事前契約」と「本契約」を分けて社内に説明する必要があります。



北アフリカ


【現場】エジプト:Maersk・Hapag-Lloyd、スエズ運河経由をさらに4サービスに拡大


Maerskは9月14日、Hapag-Lloydとの共同運航網「Gemini」のうちAE5・AE11・AE12・ME2の4サービスを、喜望峰回りからスエズ運河経由に戻すと発表しました。


両社は7月と8月にも一部サービスをスエズ経由に戻しており、段階的に復帰を進めています。


紅海でのフーシ派の攻撃以降、多くの船社がアジア〜欧州航路で喜望峰回りを続けてきました。


▶ 日本企業への示唆:アジア〜欧州・地中海の海上輸送の日数と運賃が戻り始めています。東アフリカ向けの寄港地にも影響するので、船社の航路変更を確認してください。



中部アフリカ


【政策】コンゴ民主共和国:2027年予算案は248億ドル(前年比12%増)。炭素市場の法律も公布


コンゴ民主共和国政府は、2027年の予算案を248億ドル(約57兆5,000億コンゴフラン、約3.83兆円)とし、憲法の期限である9月15日までに国会へ提出します。


2026年予算(約220億ドル)から約12%の増加で、税基盤の拡大と国内歳入の改善を理由に挙げています。


優先分野は教育(基礎教育7〜8年目の無償化を拡大)、インフラ、治安、国民皆保険です。


また、Tshisekedi大統領は9月7日、炭素市場の法的枠組みを定める大統領令法(第26/016号)を公布しました。


自主的炭素市場を全国で規制する初めての枠組みです。


市民団体は、地域社会や先住民との事前協議が無かったこと、収益の70%を民間事業者、30%を国に配分する案に反発し、国会での再審議を求めています。


▶ 日本企業への示唆:DRCで炭素クレジット案件を検討する場合、この法律の配分ルールと、市民団体の反発が今後の改正につながる可能性の両方を見ておく必要があります。



今週の数字


今週の数字(アフリカ現地紙ウォッチ 2026年9月第2週)

  • 214.03シリング(約256円):ナイロビのガソリン1リットル。10月14日まで据え置き

  • 1,350ナイラ(約158円):Dangote製油所のガソリン出荷価格。22日間で15.9%上昇

  • 1.5兆ナイラ(約1,760億円):Dangote製油所IPOの初日1時間の申込額

  • 152.5億ドル(約2.36兆円):ケニアの外貨準備(9月10日)。輸入6.3か月分

  • 74%:ガーナの港でスキャン後に開披検査に回されるコンテナの割合

  • 218億ランド(約2,070億円):南アOmniaへの買収提案額

  • 2027年8月10日:ケニア総選挙の投票日。9月14日に告示


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換算レート(2026年9月15日時点):1米ドル=154.5円、1ユーロ=178円、1ケニアシリング=約1.19円(1米ドル=129.44シリング、CBK週報)、1ナイラ=約0.117円(Dangote IPOの2.15兆ナイラ=16.3億ドルから換算)、1ランド=約9.5円(760億ランド=46.8億ドルから換算)、1ガーナセディ=約13.5円(ガーナ中銀 9/14 仲値 11.46セディ/ドル)、タンザニアシリングは記事中のユーロ額から換算。

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