【Weekly Africa Biz】2026年8月第4週|Equity純利益55%増、ユニ・チャームのケニア合弁、AGOA2028年まで延長
- AXCEL AFRICA

- 3 日前
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今週は、アフリカビジネスに関する記事を7本公開しました。
ケニア発の金融グループEquity Bankを前後編で掘り下げ、ガーナ・アクラで開かれたTICADユース・ドライブ2026の現地レポートを2本、そしてユニ・チャームのケニア合弁、AGOA延長、ナイジェリアの防衛テックTerraの大型調達まで。
テーマはばらばらに見えますが、通して読むと「制度と信頼を通り抜けられるか」という同じ問いが並んでいた1週間でした。

今週のアフリカビジネス—3つの注目トレンド
今週公開した記事群を俯瞰すると、大きく3つの動きが見えてきます。
1つ目は、「良いものを作れるか」より「通せるか」が問われた週でした。
ユニ・チャームと豊田通商のケニア合弁は、COMESA(東南部アフリカ市場共同体)の競争審査を経て、法人登記が完了してようやく9月始動にたどり着きました。
ナイジェリアのTerra Industriesは、シード累計5,200万ドル(約82億円)を集めた同じ週に、SpaceXでStarlinkの市場アクセスを担当していた人物を戦略担当VPに迎えています。
ドローンは、飛行許可と政府調達を通らなければ1台も納入できないからです。
AGOAも同じ構図で、制度が2028年末まで延びたことより、その制度をどう使えるかのほうが実務では重い。
技術や資本ではなく、許認可・調達・制度対応が競争力の中身になっているという点で、3件は同じ話をしています。

2つ目は、「見出しの数字を、そのまま持ち帰ってはいけない週」でした。
Equity Groupの2025年純利益は55%増と過去最高でしたが、総収益の伸びは12%、貸出残高は8%。増益の主因は「たくさん貸したこと」ではなく、調達コストの低下と貸倒費用の減少です。
ユニ・チャームの記事で繰り返し出てくる「生理用品の普及率3割」も、定義や調査母集団が公表されていません。
別の調査では、ケニア8郡の10〜19歳女子の92.5%が使い捨てナプキンを使っていると答えています。
AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)の「認知度13%」も、大陸人口ではなく調査対象国の回答者ベースの数字です。数字は、分解しないと事業判断の材料になりません。

3つ目は、「橋はすでにある。問題は、渡れるかどうか」という週でもありました。
ガーナで開かれたTICADユース・ドライブ2026では、日本企業が抱える「現地代理店を紹介されたが信頼できるか判断できない」という壁と、ガーナの若い起業家が抱える「事業が潰れる話を聞くと踏み出せない」という壁が、構造としてほとんど同じであることが見えてきました。
どちらも、判断するための情報と、判断を託せる相手がいないという問題です。
制度も資本も人材育成の枠組みも整いつつあるいま、日本企業にとっての残り課題は、そこに人を置いて時間をかけられるかどうかに寄ってきています。

今週のアフリカビジネスニュース—記事一覧
【8/17】Equity Bankは「銀行」を超える!?ケニア発、2,270万人を抱えるアフリカ金融グループの正体【前編】

「ケニアの銀行」と呼ぶと、実態を半分取りこぼします。Equity Groupの融資残高は、すでにケニア国内が半分を切っているからです。
顧客数2,270万人、取引の98%が支店の外で完結。商業銀行を中核に、保険・投資銀行・テクノロジー、さらに教育や農業を支える財団までを一つの傘に束ね、自らを「変革金融機関」と定義し直しています。
ケニアから6カ国へ広がったこのグループが、何を「仕組み」として持っているのかを整理しました。
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【8/18】Equity Group、純利益55%増の正体!2025年決算と2026年Q1で読む「増益の中身」【後編】

純利益755億ケニアシリング(約906億円)、前年比55%増で過去最高。ところが総収益の伸びは12%、貸出残高は8%です。
この差はどこから来たのか。答えは「安く資金を調達できるようになったこと」と「前年まで重かった貸倒費用が大きく下がったこと」でした。
後編では増益を4つの要因に分解し、地域子会社、DRC(コンゴ民主共和国)、保険、そしてNPL(不良債権)比率10.5%という積み残しまで、財務の目線で検証します。
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【8/19】ガーナで見たTICADの原点!日本とアフリカの若者が2055年の未来を担い始めた〜Youth TICAD 現地レポ 前編〜

「アフリカは慈善を必要としていない」—ガーナのオパレ・アドー青年開発・エンパワーメント大臣の開会挨拶が、その日のトーンを決めました。
2026年8月13日から14日、アクラで開かれたTICADユース・ドライブ2026に、弊社代表の横山が登壇者として参加しました。
前編では、大臣・義本大使・各団体トップのスピーチと、TICADの成り立ちを語った基調講演を整理します。AfCFTAの認知度がわずか13%という現実も、この場で突きつけられました。
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【8/20】アフリカ進出の壁は資金だけではない!ガーナで4人の実務家が語った「信頼と情報」〜Youth TICADレポート後編〜

ガーナでドローン散布事業を立ち上げた日本人起業家、日本企業との信頼を築くのに9年かけたアフリカ事業責任者、ガーナにルーツを持つ弊社コンサルタント。
ハイレベル基調対話の壇上で交わされたのは、「足りないのはお金でも才能でもない」という話でした。
事業が伸びるサインをどう見極めたか、顧客が勝手にTikTokに上げ始めた瞬間に何が起きていたか。現場の言葉がそのまま残っている後編です。
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【8/21】ユニ・チャームと豊田通商のケニア合弁が登記完了!「普及率3割」の市場へ9月始動!

社名は「SOFY UNICHARM EAST AFRICA LIMITED」、資本金20億ケニアシリング(約24億円)、2026年9月に事業開始。出資はユニ・チャーム75.0%、豊田通商17.5%、CFAO Kenya 7.5%です。
注目したいのは、生理用ナプキンを1枚ずつ売るという設計。ナイロビでは洗剤もシャンプーも小袋で並びます。
日本から見ると奇妙でも、現地の棚の常識に合わせただけの話です。COMESA承認から登記完了までの流れと、ケニア消費財市場の読み方を解説します。
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【8/22】AGOA2年延長へ!ケニア産アパレルは対米関税ゼロ、日本企業の拠点選びが変わる!?

米上院が賛成90・反対6でAGOA(アフリカ成長機会法)を2028年12月31日まで延長する法案を可決しました。
ただ「ケニアは関税ゼロの国になった」と読むのは正確ではありません。米国の関税はいま、通常関税・AGOA・通商法301条・通商拡張法232条という4層構造です。
ケニアが競合のバングラデシュ(10%)やベトナム(12.5%)より有利になったのは、交渉で勝ち取ったからではなく、米国の主要な貿易相手ではなかったから。
この「たまたま生まれた隙間」を、投資判断にどう織り込むかを考えます。
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【8/23】創業2年でシード累計82億円!アフリカ防衛テックTerraに学ぶ"通す力"!?

ナイジェリアのTerra Industriesが追加で1,800万ドル(約28億円)を調達し、シードラウンドを累計5,200万ドル(約82億円)で締めくくりました。アフリカのスタートアップとして過去最大のシードだと報じられています。
創業は2024年、創業者は当時20代前半の2人。ただ、この記事で注目したのは金額ではなく人事のほうです。
同じ週、SpaceXでStarlinkの市場アクセスを担当していた人物を戦略担当VPに迎えました。防衛テックで問われるのは、製品より「政府に採用される仕組み」だからです。
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編集部ピックアップ:8/19〜8/20「TICADユース・ドライブ2026」アクラ現地レポート

今週の注目は、ガーナ・アクラで開かれたTICADユース・ドライブ2026の現地レポート前後編です。弊社代表の横山が、ハイレベル基調対話の登壇者として現場に立ちました。
前編は開会式から基調講演まで、後編は壇上で実際に交わされたやり取りを、できるだけそのままの言葉で残しています。
この2本を通していちばん強く残ったのは、日本企業がアフリカで直面している壁と、ガーナの若い起業家が直面している壁が、構造としてほとんど同じだったことです。
どちらも「判断するための情報がなく、判断を託せる相手がいない」。そして解き方も同じで、時間をかけて信頼をつくること、繰り返し起きることを仕組みに落とすことでした。

アフリカ進出を検討されている方には、統計やレポートとは別の角度から、現場の温度が伝わる2本だと思います。
今週の数字

755億ケニアシリング(約906億円):Equity Groupの2025年純利益。前年比55%増で過去最高(ただし総収益の伸びは12%、貸出残高は8%)
98%:Equity Bankの取引のうち、支店の外で完結している割合(代理店網とデジタルチャネル)
13%:アフロバロメーターが38か国で行った調査で、AfCFTAを「聞いたことがある」と答えた回答者の割合(大陸人口ベースではありません)
20億ケニアシリング(約24億円):ユニ・チャーム・豊田通商のケニア合弁「SOFY UNICHARM EAST AFRICA LIMITED」の資本金。2026年9月始動
賛成90・反対6:AGOAを2028年12月31日まで延長する法案の、米国上院での採決結果
5,200万ドル(約82億円):ナイジェリアTerra Industriesのシード累計調達額。アフリカのスタートアップとして過去最大と報じられています
アフリカビジネスの「いま」を、毎週お届けしています。
AXCEL AFRICAは、日本とアフリカ諸国を繋ぎ、社会課題解決型ビジネスを共創することで、アフリカの持続的成長に貢献します。ケニア拠点を軸にアフリカ主要国をカバーし、市場調査・現地パートナー連携・事業開発支援を提供しています。
アフリカ市場への参入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
noteはこちら:https://note.com/bon0404



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