top of page

アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第4週|DangoteがケニアKPC株24.76%取得、ナイジェリアで12年ぶりエボラ、ガーナ鉱石輸出禁止へ

11 分前
読了時間: 24分
アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第4週|DangoteがケニアKPC株24.76%取得、ナイジェリアで12年ぶりエボラ、ガーナ鉱石輸出禁止へ(サムネイル)

アフリカ各国の現地紙から、今週の「制度・数字・現場」を拾いました。対象は10月19〜25日で、直前の数日と26日の動きも一部含みます。


ケニアと東アフリカを厚めに、ナイジェリア・ガーナ・セネガル・南アフリカ・エジプト・カメルーンなどの現地紙を加えています。


国際媒体に出にくいものを中心に、日本企業のアフリカ担当の方が社内で説明するときの材料としてお使いください。


今週は、ナイジェリアのDangoteグループが、ケニアの石油パイプライン会社KPC株式の24.76%を取得しました。


ケニアでは、月収3万2,333シリング以下の所得税を免除する案も示されました。


ウガンダ・シリングは、1ドル=4,500シリング前後と33年ぶりの安値をつけています。


エボラは、ケニアで9例・死亡2人となりました。ナイジェリアでは、国外から持ち込まれた症例が12年ぶりに確認されています。


西アフリカでは、ガーナが未加工の鉱石の輸出を2030年までに段階的に禁止する方針を示し、ブルキナファソの国会は戦略的な国営企業の民営化を禁止する法律を可決しました。


今週取り上げた国と本数の地図(アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第4週|DangoteがケニアKPC株24.76%取得、ナイジェリアで12年ぶりエボラ、ガーナ鉱石輸出禁止へ)

今週の3行


  • ガーナ、未加工の鉱石の輸出を2030年までに段階的に禁止する方針。鉱物ごとの要件と日程はこれから。9月末時点で法律にはなっていない

  • Dangoteグループ、ケニアのKPC株式の24.76%を約425億シリング(約513億円)で取得。取得後の主な株主はケニア政府35%、Dangote側24.76%、ウガンダ国営石油会社20.15%

  • ナイジェリアで12年ぶりのエボラの症例。ケニアの症例のウイルスと近縁だが、感染の経路は未確定。患者は10月26日にスイスへ搬送


ケニア・東アフリカ


【企業】ケニア:DangoteがKPC株式の24.76%を取得。約425億シリング


ナイジェリアのAliko Dangote氏のグループは、ケニアの石油パイプライン会社Kenya Pipeline Company(KPC)の株式の24.76%を、年金基金などから取得しました(Capital FM、Business Daily)。


取得したのは約45億株で、金額は約425億シリング(約513億円)です。


売り手は8つの年金基金です。


国家社会保障基金(NSSF)、公務員年金基金(PSSF)、郡年金基金(CPF)は持ち株の一部を、Lapfund、Laptrust、Kenya Power年金、KPA年金は全株を売りました(Business Daily、10/25)。


未請求金融資産庁(UFAA)とKenya Reは、外部の運用会社がいないため取引に加わらなかったと、同紙は書いています。


Capital FM(10/21)は、売り手にUFAAを含めていました。


株はナイロビ証券取引所で10月19日に、大口の取引で売買されました。


年金基金は、市場価格の9.02シリングに対し、1株9.04シリング(約10.9円)を受け入れました(Business Daily、10/25)。


Dangote側が配当の約14億シリング(約17億円)を年金基金に譲ったため、取引の費用は1株9.36シリング(約11.3円)になったと、同紙は書いています。


KPCが3月に上場したときの価格は9シリングです(billionaires.africa、Kenyans.co.ke)。


取得の割合は、上場会社の全株主への買付けが求められる25%を、わずかに下回ります。


取得後の主な株主は、ケニア政府35%、Dangote側24.76%、ウガンダ国営石油会社20.15%です(billionaires.africa)。


NSSFなど国内の年金基金の持ち分は、売却で下がりました(Business Daily、10/25)。


KPCの株価は10月22日に7.9%上がり、23日の終値は10.55シリング(約13円)でした(Business Daily、African Markets)。


Dangoteは9月30日、ラムで製油所の起工式を行っています。


ケニア政府はDangoteと燃料の供給の協定を交渉しており、国内市場の独占を認めるかを決めかねていると、Jeune Afriqueは伝えています。


▶ 日本企業への示唆:ケニアで燃料の輸送・貯蔵をKPCの設備に頼っている場合は、株主構成の変化と、製油所の燃料供給をめぐる交渉の行方によって、料金や取引の条件が変わらないかを確認してください。



【政策】ケニア:月収32,333シリング以下の所得税(PAYE)を免除する案。携帯と土地取引の減税も


ルト大統領は10月20日、エルドレットで開かれた英雄の日(Mashujaa Day)の式典で、税の軽減の案を示しました(Citizen、The Standard)。


1つ目は、月収3万2,333シリング(約3.9万円)以下の人の所得税(PAYE。給与から天引きする所得税)を免除する案です。


2つ目は、100万シリング(約121万円)以下の土地取引の印紙税をなくし、それより高い取引には累進の税率を入れる案です。


3つ目は、携帯電話にかかる25%の輸入関税をなくす案です。実現には、法律と地域の関税の手続きが要るとしています(Kenya News Agency)。


Mbadi財務長官の説明では、仕組みは月収のうち最初の3万2,333シリングまでを税率0%とし、全員が受けている月2,400シリング(約2,900円)の個人控除をなくすものです。


25%から35%の税率は据え置きます(Capital FM)。


免除される人は36万2,846人増え、約169万2,000人になる見込みです(同)。


個人控除がなくなるため、負担が増える人も出ると報じられています(Kenyans.co.ke、Business Daily)。


ただし、月収3万2,333シリングを超える人に新しい仕組みがどう当てはまるかは、まだ決まっていません(Citizen)。


所得税が免除されても、給与からの天引きがすべてなくなるわけではありません。


Citizenが一定の前提で行った試算では、月収3万2,333シリングの人の手取りの増加は月1,285シリング(約1,550円)です。


社会保障(NSSF)、保健(SHIF)、住宅税の控除を差し引いたあとの額です。


いずれも提案の段階で、10月26日時点で国会には出ていません。


Mbadi財務長官は、議会の休会前に成立し、1月までに施行できるとの見通しを述べています(Capital FM、10/25)。


▶ 日本企業への示唆:ケニアで従業員の給与を計算している場合は、法案の条文が出た段階で、個人控除の廃止を含めて月収の帯ごとに手取りの増減を試算し、給与計算に反映する準備をしてください。



ケニアの所得税(PAYE)の見直し案

【現場】ケニア:エボラは9例・死亡2人に。米国は渡航勧告をレベル3に引き上げ


ケニア保健省は10月20日、エボラの9例目を発表しました。


9例はいずれも、最初の患者に関わる同じ感染の集団(クラスター)に属しています(Kenyans.co.ke)。


型はBundibugyo型です。最初の患者は、コンゴ民主共和国からウガンダを経てナイロビに着き、10月5日に亡くなりました(WHO)。


2例目以降の8人は、家族4人と、医療・介護の従事者4人です(WHO、10/20時点)。


保健省は10月23日、2人目の死亡を発表しました。隔離中に症状が出た65歳の女性で、最初の患者の近親者です(Al Jazeera)。


10月26日時点で、症例は9例、死亡は2人です(Kenyans.co.ke)。


米国務省は10月19日、ケニアの渡航勧告をレベル2からレベル3(渡航の再検討)に上げました。理由に健康上のリスクを挙げています(The Star)。


保健省のPatrick Amoth局長は、WHOとアフリカCDCにワクチン1万回分を求めたと述べています。医療従事者から接種する考えです。


WHOは、この型に認可されたワクチンは無いとしています(The Star)。


▶ 日本企業への示唆:ケニアに出張者や駐在員を送っている場合は、米国の勧告の変更と、保健省が発表する症例数を、渡航の判断の前に確かめてください。



【現場】ケニア:燃料高に抗議デモ。軽油の小売価格への転嫁率は62%とIMF


10月26日の朝、燃料の高値に抗議する人々が、ナイロビの中心部に集まりました(The Standard)。


人権擁護の団体が警察に届け出たデモで、キマティ通りから大統領府に向かう計画です。主催者は500〜900人の参加を見込んでいました(同)。


活動家の団体(Paza Sauti Movement)は、石油製品の付加価値税(VAT)の停止と、燃料価格の決め方の透明化を求めています(The Star、10/20)。


ナイロビの上限価格は、10月15日から11月14日まで、ガソリンが1リットル226.96シリング(約274円)、軽油が227.76シリング(約275円)です(The Standard)。


Business Dailyによると、IMFの分析では、ケニアは2月から9月に、国際燃料価格の変化のうち軽油で62%、ガソリンで52%を小売価格に転嫁しました。


タンザニアやルワンダと比べ、補助金や減税で家計と企業を守った形だと、同紙は書いています。


エネルギー・石油規制庁(EPRA)の長官は国会で、燃料の設備や船舶への攻撃で供給が乱れ、輸入業者が割高な調達先を探していると説明しました(The Standard、10/20)。


▶ 日本企業への示唆:ナイロビ中心部に事務所や取引先がある場合は、燃料価格をめぐるデモの予定を確かめ、当日の移動や来客の日程を調整してください。



【政策】ケニア:トゥルカナ原油、12月1日に商業生産を始める予定。政府は原油の名前を公募


ケニアの石油担当省(State Department for Petroleum)は、12月1日を原油の商業生産の開始日に定めたと、公示で明らかにしました(The Star、10/23)。


同省は、輸出向けの原油の名前を国民から公募しています。締切は10月29日午後5時で、国内外で商標登録ができる名前であることが条件です(同)。


ルト大統領は10月20日、英雄の日の式典で、トゥルカナ原油の海外への販売が12月に始まる見込みだと述べました(The Star、10/23)。


南ロキチャールの鉱区T6・T7で生産する権利を持つGulf Energyは、11月1日に掘削を始め、12月1日に最初の原油を出す計画です。


当初はトラックでモンバサ港に運んで輸出します(Business Daily)。


生産量は、第1期(2026〜2032年)が日量2万バレル、2033年からの次の期が日量5万バレルの目標です(同)。


▶ 日本企業への示唆:ケニアで石油の上流事業向けの資機材やサービス、輸送を扱っている場合は、11月の掘削開始と12月の商業生産開始の日程を、営業の時期の目安にしてください。



【数字】ウガンダ:シリングが33年ぶりの安値。財務省は各省庁に燃料・出張費の半減を指示


ウガンダ・シリングは10月23日の早朝、1ドル=4,500シリング前後まで下げました。33年ぶりの安値です(Daily Monitor)。


昼には4,404シリングに戻り、終値は4,400シリング台でした。いずれもウガンダ中央銀行(BoU)の窓口のレートです。


BoUは10月14日の臨時会合で政策金利を9.75%から12%に上げました。


利上げ後の戻りは続かず、BoUは10月22日にも外貨を売っています(Pulse Uganda)。売った額は書かれていません。


財務省は、全省庁に燃料・出張・ワークショップなどの経費を半分にするよう指示しました(Daily Monitor、10/25)。


財務省のRamathan Ggoobi事務次官は、2026/27年度第2四半期の予算の配分で、消耗品などの費目を大きく減らしたと述べています。


第2四半期の計画支出は、3兆シリング(約1,060億円)近く減らしました(Pulse Uganda)。


▶ 日本企業への示唆:ウガンダの取引先とシリング建ての契約がある場合は、8月下旬から10%を超える下落を踏まえて、為替の条件と支払いの時期を見直してください。



【インフラ】タンザニア:SGRの424km区間に3.67兆シリングを確保と運輸相


タンザニアのMbarawa運輸相は10月24日、標準軌鉄道(SGR)の2つの区間の建設に、3.67兆タンザニア・シリング(約2,180億円)を確保したと述べました(The Citizen)。


区間は、マクトゥポラ〜タボラ(第3工区、294km)と、タボラ〜イサカ(第4工区、130km)の合わせて424kmです。


資金の出どころと条件は、記事に書かれていません。


運輸相は「資金の問題はない」と述べ、遅れの主な原因は施工者の計画にあるとしました。支払いは、完了した工事の出来高証明(IPC)の提出しだいです。


タンザニア鉄道公社(TRC)のShiwa総裁は、この区間が2028年までに完成に向けた最終段階に入る見込みだと述べています。


この2つの工区については、4月28日にスウェーデン・ポーランド・イタリアの輸出信用機関との12.77億ドル(約2,000億円)の融資に署名したと、5月に報じられています(Zawya)。


今回の3.67兆シリングとの関係は、どの記事にも書かれていません。


▶ 日本企業への示唆:タボラ・シニャンガ方面への内陸の物流を計画している場合は、SGRのこの区間が2028年に向けて工事中である点を、輸送手段の前提に入れてください。



【現場】エチオピア:国境の町モヤレで衝突。1万人超がケニア側へ避難


エチオピア南部の国境の町モヤレで、10月21日から、オロミア州とソマリ州の勢力の衝突が続きました(Reuters、Mereja)。


発端は10月18日です。両州が帰属を争う土地の事務所に、ソマリ州の旗が掲げられました(DWの報道をMerejaが伝える)。


エチオピア側の病院関係者によると、10月22日に4人、23日に5人が亡くなり、少なくとも9人が死亡しました(Reuters)。


ケニア赤十字は10月24日、ケニア側のモヤレで1万900人超が6か所の仮設キャンプに、ほかに4,000人が親族などのもとに身を寄せていると説明しました(Anadolu)。


モヤレは、ケニアとエチオピアを結ぶ主要な国境の通過点です。


越境の交易が乱れ、輸出入業者のトラックが道路で襲われたという住民の証言もあります(Anadolu、Mereja)。


国境の通過点が開いているかどうかや、トラックの滞留の状況は、記事に書かれていません。


▶ 日本企業への示唆:ケニアとエチオピアの間の陸路(モヤレ経由)で貨物や人を動かしている場合は、通過点の状況と在外公館の安全情報を、出発前に確かめてください。



【数字】ルワンダ:8月の失業率は15.6%。前年同月から2.2ポイント上昇


ルワンダ国家統計局(NISR)は10月、2026年8月(第3四半期)の労働力調査を公表しました。


失業率は15.6%で、前年8月の13.4%から2.2ポイント上がりました。2021年8月の19.4%から下がってきた流れが、反転しています。


女性は18.3%、男性は13.3%です。失業者は87.8万人です。


対象は16歳以上で、比べているのは毎年8月どうしです。


▶ 日本企業への示唆:ルワンダの市場や人材の状況を社内で説明する場合は、2025年まで改善していた失業率が、2026年8月に上がった点を最新の数字として添えてください。



西アフリカ


【政策】ガーナ:未加工の鉱石の輸出を、2030年までに段階的に禁止する方針


マハマ大統領は10月19日、アクラの鉱業会議(Mining in Motion)で、2030年までに未加工の鉱石が国外に出ないようにする目標を示しました(MyJoyOnline、Graphic)。


大統領は、未加工の鉱石の輸出を段階的に禁止すると述べました。必要な法的措置、鉱物ごとの要件、透明な実施の日程で支えるとしています。


挙げた鉱物は、ボーキサイト・マンガン・鉄・リチウムなどです。


Graphicはボーキサイトではなくアルミナと書くなど、紙によって並びが違い、演説の全文は確認できていません。


大統領は、資源を利用する投資家は国内での加工の義務を理解する必要があるとも述べました。


10月21日にロンドンで開かれたFinancial Timesの会議では、リチウム・マンガン・ボーキサイト・金を挙げました。


金は現在70%を輸出前に国内で精製していると述べています(Reuters)。


大統領府も10月22日、2030年までに未加工の鉱物の輸出を終える方針と、段階的な実施の道筋を公表しました(大統領府)。


2030年の目標は、2月と9月にも述べています。9月末時点で、禁止は法律になっていません(MyJoyOnline、9/29)。


5月に国会に出た鉱物・鉱業法案の第110条は、大臣が規則で未加工の精鉱の輸出を禁止できるとするものの、期限は定めていません(同)。


▶ 日本企業への示唆:ガーナから鉱物を長期の契約で調達している場合や、鉱業への投資を検討している場合は、契約の期間中に国内加工の義務が加わる可能性を考え、鉱物ごとの要件と日程の発表を確認してください。



【現場】ナイジェリア:12年ぶりのエボラの症例をアブジャで確認。ケニアの症例のウイルスと近縁


ナイジェリアのPate保健相は10月20日、首都アブジャ(連邦首都区)で、ウガンダから来た女性のエボラ感染を確認したと発表しました(Nairametrics)。


ナイジェリアでエボラの感染が確認されたのは、2014年以来、12年ぶりです(BusinessDay、Reuters)。


ナイジェリア疾病対策センター(NCDC)は10月21日、型はBundibugyo型だと述べました。


コンゴ民主共和国(DRC)で流行している型です(Le Monde、仏語から要約)。


スイス外務省によると、女性はアブジャに住むスイスの外交官の妻で、10月3日にウガンダから戻りました(BBCの報道をMyJoyOnlineが転載)。


女性の経歴や渡航先の説明は、ウガンダの当局と食い違う部分があります。


保健相は10月23日、ゲノム解析の結果、ケニアの最初の症例のウイルスと近い関係にあると述べました。


近い関係であることは、ケニアから直接うつったことを意味しません。保健相も、感染の経路は分かっていないとしています(Reuters)。


Keyamo航空相は10月21日、接触者46人を21日間、国内線・国際線の搭乗禁止の名簿に載せるよう指示しました。


空港では、体温の測定、電子の健康申告、渡航歴の確認を強めます(BusinessDay)。


NCDCの長官は10月25日、接触者は53人と説明しました。確定例は1人のままです(Nairametrics)。


患者と夫は10月26日、スイスへ医療搬送されました。WHOは搬送のあと、ナイジェリア国内に確認されたエボラの患者はいないと述べました。


終息が宣言されたわけではなく、国内では残る接触者52人の経過観察を続けます(BusinessDay、10/26)。


▶ 日本企業への示唆:ナイジェリアとの間で出張者を送る場合は、空港での健康申告と体温の測定を前提に日程を組み、渡航前に最新の申告の要件を確かめてください。



【政策】ナイジェリア:中央銀行、JPMorganのマーチャントバンク設立に仮承認


ナイジェリア中央銀行(CBN)は、JPMorganがマーチャントバンクを設立することに、仮承認(AIP)を出しました(Nairametrics、10/23)。


新しい銀行の名前は「JPMorgan Merchant Bank Nigeria Limited」です。


発表はCBNのMichael Akuka広報局長です。


仮承認は免許の手続きの最初の段階で、この段階では営業できません。法人の登記や運営の体制を整えたあと、CBNが最終の免許を出します。


その前の10月20日には、JPMorganが500億ナイラ(約59億円)をCBNに預けたと、Bloombergが関係者の話として報じていました。


マーチャントバンクに求められる最低払込資本と同じ額です(BusinessDay)。


関係者は、免許の取得を2026年末か2027年初めと見込んでいます(Nairametrics)。


JPMorganは、ラゴスの駐在員事務所を営業の拠点に切り替える計画です(同)。


▶ 日本企業への示唆:ナイジェリアで金融機関の設立や資本の要件を調べている場合は、マーチャントバンクの最低払込資本が500億ナイラである点と、仮承認から最終の免許までの手順を、参考にしてください。



【政策】セネガル:補正予算案、委員会で否決。本会議は10月27日


セネガル政府が国会に出した2026年の補正予算案(LFR)について、国会の過半数を握るPastefが10月23日夜に声明を出しました。


「現状のままでは採択しない」としています(Jeune Afrique、仏語から要約)。


委員会で2日間審議したあとの判断です。Pastefは10月19日の記者会見でも、このままでは賛成しないと述べていました(Senego)。


本会議は10月27日に予定されています。


補正予算案は、歳入を3,403億FCFA(約910億円)下方修正し、投資の予算を5,550億FCFA(約1,490億円)削ります(Le Soleil)。


Diba経済・財政・計画相は、当初予算は原油1バレル64ドルを前提としていたが、相場は110ドルを超えたと説明しました(同)。


Financial Afrikが伝える補正予算案の数字では、電気・燃料の価格を抑える補助金は7,903億FCFA(約2,120億円。当初予算は2,500億FCFA)、財政赤字はGDP比7.6%です。


一方、Diba大臣は、支出を調整しないまま増やせば、財政赤字が10%に達するおそれがあると警告しました。分母は記事に明記されていません(Le Soleil)。


Lô首相は10月25日、削減の一部は来年への先送りだと説明しました(Le Soleil)。


同じ週の10月21〜23日には、労働組合の連合体(FSDT)が72時間のゼネストを行いました。


ダカール州知事は、電力公社Senelecの一部の職員を、この3日間、徴用(réquisition)しました(Financial Afrik、Le Soleil)。


▶ 日本企業への示唆:セネガルで政府の発注工事や政府からの支払いが絡む案件がある場合は、10月27日の本会議の結果と先送りされる投資の対象を確認し、予算の執行時期と代金の回収の見通しを確かめてください。



セネガルの補正予算案をめぐる動き

【政策】ブルキナファソ:戦略的な国営企業の民営化を禁止する法律を可決


ブルキナファソの国会(ALP)は10月19日、戦略的な経済・商業・産業の事業体を定める法律を採択しました(LeFaso.net、仏語から要約)。


この法律は、国が持つ戦略的な企業の、全部または一部の民営化を禁止します。


戦略的とは、国家の主権、国家の安全、社会・経済の均衡に関わる事業体です。対象の企業の一覧は、今後、政令で公表されます(Jeune Afrique)。


国は、戦略的とみなす民間の事業体に出資したり、持ち分を増やしたりできます(LeFaso.net)。


Poda産業・商業・手工業相は、過去に民営化された企業の支配を一律に取り戻すものではないと説明しました(Burkina24)。


採決は、LeFaso.netは賛成70・棄権1、Sidwayaは全会一致と書いています。公布と施行の日は、確認できていません。


▶ 日本企業への示唆:ブルキナファソで国営・公営の企業と組む案件や出資を検討している場合は、今後出る政令の一覧に相手先が入るかを確かめてください。



南部アフリカ


【政策】南アフリカ:中期予算で、11月4日から軽油の燃料税を1リットル3ランド軽減へ


Godongwana財務相は10月21日、国会で中期予算方針(MTBPS)を発表しました。


燃料税(general fuel levy)を一時的に下げます。


11月4日から12月1日までは、軽油が1リットル3ランド(約28円)、ガソリンが1.50ランド(約14円)の軽減です。


その後2027年1月5日までは、軽油1.50ランド、ガソリン1ランド(約9円)の軽減に縮めます。燃料税の軽減は今年2回目です。


軽減するのは燃料にかかる税で、小売価格が同じ額だけ下がると決まったわけではありません。


軽減で失う税収は100億ランド(約940億円)です。中央エネルギー基金(CEF)に移していた100億ランドを国庫に戻し、これに充てます。


2026/27年度の税収(総額)の見通しは、2月の予算より171億ランド(約1,610億円)上方修正しました。


法人税・配当税・付加価値税(VAT)が想定を上回ったためです。


財務相は、上振れの多くは資源価格の上昇によるもので、中期的には薄れると説明しています。


財政のアンカー(財政運営の基準)は、数値の上限ではなく、財政の持続可能性の原則を法律に書く方式にします。


草案を10月に公表し、国会への提出は2027年の予定です。


▶ 日本企業への示唆:南アで車両や発電機の燃料費を見積もる場合は、軽減が11月4日から2段階で縮み、2027年1月5日に終わる予定である点を、前提に入れてください。



南アフリカの燃料税の一時的な軽減

【現場】モザンビーク:マプト都市圏の乗合バスへの燃料補助を打ち切り。運賃の引き上げ幅で協議


モザンビーク政府は、マプト都市圏(マプト・マトラなど7つの市町)の公共の旅客輸送事業者に、燃料の補助を打ち切ることにしました(Club of Mozambique、10/19)。


補助は、燃料価格の上昇を和らげるため、5月に3か月の臨時措置として発表されたものです。


補助は1台あたり月に、15人乗りのミニバス(chapas)が3万5,000メティカル(約8.6万円)、バスが14万1,000メティカル(約35万円)でした。


3か月の支出は約3億700万メティカル(約7.5億円)と、10/19の記事は書いています。


一方、10/22の続報では、都市圏交通庁(AMT)が7月分の補助をまだ払っていないと、同紙は書いています。


AMTの担当者は、政府は2か月分しか払えなかったと述べました(Club of Mozambique、10/22)。


事業者の団体(FEMATRO)は、18メティカル(約44円)の路線を30メティカル(約74円)に、15メティカルの路線を25メティカルに上げる案を出し、11月1日からの適用を主張しています。


案が受け入れられなければ、11月2日に大マプトの旅客輸送が乱れるおそれがあると、団体の広報は述べました。


マプト都市圏の当局は、引き上げを3〜5メティカルまでにとどめるよう求めています。11月からの適用は約束していません(10/19時点)。


▶ 日本企業への示唆:マプト都市圏で従業員の通勤や移動を手配している場合は、11月初めに乗合バスの運賃の改定や運行の乱れが起きる可能性を、確かめてください。



【企業】ナミビア:BannermanのEtangoウラン鉱山、最終投資決定。生産開始は2028年が目標


オーストラリアのBannerman Energyなどの合弁は、ナミビアのEtangoウラン事業で、最終投資決定(FID)をしました(World Nuclear News、10/23)。


合弁の持ち分は、Bannermanが55%、CNNC Overseas Limitedが45%です。合弁は事業の95%を持ちます。


場所はエロンゴ州のスワコプムントの南東30kmです。


生産前の設備投資は約3億5,300万ドル(約553億円)の見通しです。うち約6,400万ドル(約100億円)は、9月末までの先行工事ですでに使いました。


残りは合弁の手元資金で賄い、事業向けの借り入れは使わない計画です(Small Caps)。


本格的な建設は今後数か月で進め、試運転と最初の生産は2028年が目標です。年産はウラン酸化物(U3O8)約350万ポンドの計画です。


▶ 日本企業への示唆:ナミビアのエロンゴ州で資材・機器の納入や関連サービスを検討している場合は、本格的な建設が今後数か月で進み、2028年の生産開始を目標とする工程を、営業の時期の目安にしてください。



北アフリカ


【政策】エジプト:労働相が日本企業の代表と会合。外国人の就労許可の審査を早めると表明


エジプトのRadad労働相は10月18日、新行政首都の労働省で、エジプトで事業をする日本企業の代表と会いました。


駐エジプト日本大使(Fumio Iwai氏)も出席しました(Daily News Egypt)。


日本側は、外国人の就労許可の手続きと、労働法・労使関係の運用についての課題を伝えました。


労働相は、就労許可の申請の審査と、関連する問い合わせへの対応を、規則の範囲で早めると述べました。日数などの具体的な約束は、記事に書かれていません。


労働省は、事業者との連絡や手続きを簡単にするための「投資家支援ユニット」を新しく設けたと説明しました。


▶ 日本企業への示唆:エジプトで駐在員の就労許可を申請している場合は、新設の投資家支援ユニットを窓口として使えるかを、労働省に確かめてください。



【数字】エジプト:ドルが初めて55ポンドを超え、最高値


10月22日、エジプト中央銀行(CBE)の公表レートは1ドル=55.24ポンド(買い)・55.38ポンド(売り)となり、初めて55ポンドを超えました(Enterprise)。


外国人投資家は、10月19〜21日にエジプト取引所で、国債・短期国債を約738億ポンド(約2,090億円)売り越しました。


22日も、すべての証券で約392億ポンドの売り越しと速報されています(同、EGXのデータ)。


格付け会社Moody'sは10月16日、エジプトの格付けをCaa1からB3に1段階上げていました。


見通しは「ポジティブ」のままです(Financial Afrik、仏語から要約)。


Moody'sは、公的債務のGDP比が2023年6月の95.2%から2026年6月に81.8%へ下がった点を挙げています。


外貨準備は9月に570億ドル(約8.9兆円)でした(同)。


その後も下げは続き、10月25日には中央銀行の相場で55.89ポンドをつけました(Enterprise、10/26)。


中央銀行の次の金融政策委員会は、10月29日の予定です(Enterprise)。


▶ 日本企業への示唆:エジプトでポンド建ての売上や費用がある場合は、10月22日に1ドル=55ポンドを超え、25日には1ドル=55.89ポンドとなった水準を、為替の前提に入れてください。



【現場】アルジェリア:議会がニジェールへの派兵を承認。派遣先はニジェール北部のマダマ


アルジェリアの議会は10月25日、ニジェールに軍の部隊を送ることを承認しました。


上院が先に、下院が同じ日の午後に採決しました(Jeune Afrique、Reuters)。


派遣先は、リビア国境に近いニジェール北部のマダマです。フランス軍のバルカン作戦で使われた基地の跡地です(Reuters)。


両院の議長は、目的を「エネルギー権益の保護」と、両国の協定の条項の実現と説明しました(Le Monde、仏語から要約)。


両国は10月21日、軍事協力の議定書に署名しています。


Reutersなどは、実現すれば1973年の第4次中東戦争以来の、アルジェリア軍の部隊の国外派遣になると書いています。


アルジェリアは8月30日に、戦闘機などをニジェールに送っています(Jeune Afrique)。


派遣の規模と期間は、記事に書かれていません。ニジェールの治安筋は、部隊はまだ正式に送られていないと述べています(Reuters)。


Jeune Afriqueは、ニジェール当局の要請を受けたものだと書いています。


▶ 日本企業への示唆:ニジェール北部やアルジェリア南部の資源事業に関わっている場合は、派遣が実際に始まる時期と、在外公館の安全情報を確かめてください。



中部アフリカ


【数字】カメルーン:Fitchが格付けをB-に下げ、ユーロ債の利回りは10.65%


格付け会社Fitchは10月16日、カメルーンの長期の発行体デフォルト格付けを「B」から「B-」に下げました。


見通しは「安定的」です(Sika Finance、仏語から要約)。


理由に、秩序立たない政権移行のリスクを挙げています。


93歳のビヤ大統領は後継を指名しておらず、2026年4月の憲法改正で設けた副大統領の職も空いたままです(同)。


2033年満期のユーロ債の利回りは、10月19日に10.65%と記録的な水準になりました。2031年満期は10%です(Camer.be)。


ビヤ大統領は10月12日、2027年予算の編成を指示する回状に署名しました。


贈与を含む財政赤字をGDP比2.7%として編成するよう求めています(Investir au Cameroun)。


回状は、企業への付加価値税(VAT)の還付を早めるようにも求めています。


中期計画では、2027年の還付の枠は840億FCFA(約225億円)で、2026年と同じです(同)。


ただし、2025年に実際に還付されたのは490億FCFAにとどまりました。2027年の枠は、予算法でこれから確定します(同)。


▶ 日本企業への示唆:カメルーンで輸出などを行い、VATの還付を待っている場合は、2025年の実績が枠を下回った点を踏まえ、還付の時期を資金繰りの前提に入れてください。



【政策】ガボン:鉱業許可52件を取り消し。探鉱41件・採掘11件


ガボンの鉱山・地質資源省は10月19日、民間企業に与えていた鉱業許可を国に戻すと発表しました(同省、仏語から要約)。


取り消しは52件で、探鉱許可41件、採掘許可11件です。発表には、会社名・許可番号・場所・州の一覧が付いています(同省)。


6月29日から10月16日までの監査で、許可を持つ企業が法令・規則の要件を満たしていないことが分かったためです。


会社ごとの違反の中身は公表されていません(Ecomatin、La Nouvelle Tribune)。


省は、違反した者は訴追の対象になると警告しています。取り消した許可を再び配る日程や基準は、公表されていません(Gabonreview、Ecomatin)。


▶ 日本企業への示唆:ガボンで鉱業の権益の取得や、鉱山会社との取引を検討している場合は、相手の許可番号を、鉱山省が公表した取り消しの一覧と照らし合わせてください。



今週の数字


今週の数字(アフリカ経済ウィークリー 2026年10月第4週|DangoteがケニアKPC株24.76%取得、ナイジェリアで12年ぶりエボラ、ガーナ鉱石輸出禁止へ)

  • 24.76%:DangoteグループがケニアのKPC株式のうち取得した割合。金額は約425億シリング(約513億円)

  • 4,500シリング:10月23日の早朝に、ウガンダ・シリングが一時つけた対ドルの水準(33年ぶりの安値)

  • 15.6%:ルワンダの2026年8月の失業率。前年8月の13.4%から2.2ポイント上昇

  • 3ランド(約28円):南アフリカで11月4日〜12月1日に軽油1リットルあたりの燃料税を下げる額

  • 5,550億FCFA(約1,490億円):セネガルの2026年の補正予算案で削る投資の予算

  • 55.38ポンド:10月22日のエジプト中央銀行の対ドルの売りレート。初めて55ポンドを超えた。25日は55.89ポンド

  • 10.65%:10月19日のカメルーンの2033年満期ユーロ債の利回り(Fitchの格下げ後)


深掘りはnoteで




アクセルアフリカは、ケニア・ナイロビの拠点から、日本企業のアフリカ事業開発に伴走しています。


現地の制度や数字について「社内で説明できる形にしたい」というご相談は、初回無料(30分)でお受けしています。



換算に使った参考レート(参照日は通貨ごとに異なります):1米ドル=約156.8円、1ユーロ=約175.6円、1ケニアシリング=約1.21円(いずれもケニア中央銀行の10/26の公表値から計算。1米ドル=129.89シリング、100円=82.86シリング)、1ウガンダ・シリング=約0.035円、1タンザニア・シリング=約0.059円、1ランド=約9.4円(いずれもケニア中央銀行の10/26の公表値から計算)、1FCFA=約0.268円(1ユーロ=655.957FCFAの固定レートと、上のユーロ円から計算)、1ナイラ=約0.117円(10/21 約1,334.72ナイラ/ドル)、1エジプト・ポンド=約2.83円(10/22 エジプト中央銀行 約55.3ポンド/ドル)、1メティカル=約2.45円(8/12 モザンビーク中央銀行の参照値 63.91メティカル/ドル)。


NEWSLETTER

アフリカビジネスの最新情報を、
隔週でメールで

アフリカの制度・数字・現場から、日本企業の事業に関わる話題を選んで、隔週火曜にお届けします。無料です。

CONSULTATION

アフリカ進出のご相談を、
初回30分無料で

調査だけ、設立だけでも構いません。検討の初期段階から、ナイロビに常駐するチームがお手伝いします。

bottom of page