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執筆者の写真長谷川 将士

中国企業とJVを設立、ケニア国内で初となるスマートホン組み立て製造が始動

10月30日、ケニアでは初となるスマートホンの国内組み立て工場が始動したことを現地メディアが報じた。


生産は東アフリカ機器組み立て会社(East Africa Device Assembly Kenya Limited , EADAK)が、ナイロビから南東約30キロにあるアシリバーにある工場で行われる。


同社はケニア国内の通信分野最大手サファリコムをはじめ、民間通信サービスプロバイダーであるジャミイ・テレコミュニケーション、中国のモバイル機器販売会社の深圳テレワンテクノロジーズとの合弁会社だ。


深圳テレワンテクノロジーズは、アルカリ電池、カーボン電池、充電式電池の製造、生産、販売を行うTinko Groupの子会社であり、製造に必要な調達は主に同社を通じて行われるとみられる。


大統領が進める重要政策


スマートホンの国内製造は、ルト大統領が推進する重要政策の一つだ。


昨年11月に開催されたケニア商工会議所の年次総会で、同大統領は一年以内に、アフリカでにおいてケニアが最低価格のスマートホンを提供する、最大の生産者となると掲げた。


当初は5000シリング(約4970シリング)以下のスマートホンを販売することを目標としたが、サファリコムが税制上の負担などを理由に実現が困難とし、最終的には7499シリング(約7460円)に落ち着いた。


ルト大統領はケニアに輸入される携帯電話の約半分が課税されていないため、すべての携帯電話を国内で製造すれば問題を解決することができると指摘した。


また、5年以内にケニア人の誰もがスマートホンを持てるようになることを目指さなければならないと発言している。


最低価格帯で『それなり』なスマートホン


組み立て工場では2種類のスマートホン(4G対応のNeon 5インチ Smarta、6.5インチ Ultra)が生産される予定で、将来的にはタブレット等の新商品の導入も計画されている。


工場は年間300万台のスマートホンの製造が可能であり、安価なスマートホンを国内で普及させることで、4Gアクセスの拡大や経済成長に繋げる狙いだ。


生産されたスマートホンは全国の販売店、サファリコムショップ、オンライン・プラットフォームのマソコで販売される予定であり、既に一部のユーザーが購入し、SNS上で商品レビューを行っている。大方の評判として、特別な機能はないが、特に不満もないとのことだ。


これらのスマートホンの販売価格である7499シリングは、現在のケニア市場では最低価格帯だ。


今後はキャンペーン等によりさらに割引き価格で購入できる機会があることを考慮すれば、ルト大統領および政府が掲げる、安価なスマートホン供給により、人々が享受できるデジタル機会の拡大という目標は果たせるだろう。


ただし、あくまで中国メーカーに依存した生産体制であるため、今後は単なる組み立て工場から脱却し、どこまでメイドインケニアと呼べる特色がだせるかに注目したい。


(画像はアシリバーの工場での生産&政府視察の様子。出所はサファリコムのX投稿より。© Safaricom PLC


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