ケニア最大級のグレードA冷蔵倉庫
物流会社コールドソリューションズケニアは20日、ケニア最大級の冷蔵倉庫を開設しました。同社は3年前に計画を発表後、7000万ドル(約105億円)を投じてナイロビから北東35キロほどにあるタトゥに15,000平方メートルの施設を建設しました。
冷蔵倉庫はグレードAに認定されており、新鮮な果物や野菜、食肉、鶏肉、冷凍食品、医薬品などの複数の製品に対応するとされています。
グレード A の施設は、品質、サイズ、運搬用フックの高さ、ドックレベラー(搬出入口の床面と荷台に生じる段差を無くすための装置)、梱包された荷物を開くための広い開梱場、冷蔵倉庫のような専門設備などの点で高い機能を持つ施設と定義されます。
同社のCEOであるグラント・オチエング氏は現地紙のインタビューで、冷蔵倉庫は農業における食品ロスを削減し、飲食業、小売業、医薬品部門のサプライチェーンを強化するのに役立つと述べました。
同社はさらに、ケニア沿岸部のモンバサにもう1つの保管施設を設立することを検討しています。
出資元は東アフリカで2億ドルの投資を予定
コールドソリューションズケニア社は、アーチイマージングマーケットパートナーズ社(ARCH)がアドバイザーを務めるプライベート・エクイティ・ファンド、アーチコールドチェーンソリューションズ東アフリカ社ファンドのポートフォリオ企業です。
ARCH社は東アフリカ5カ国(エチオピア、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ)で、大規模でエネルギー効率の高い冷蔵施設とエンド・ツー・エンドのロジスティクスの開発・運営を行う予定です。
また、同地域に最大10棟の最新鋭の温度管理された冷蔵倉庫を建設する計画があります。倉庫は食品と製品の安全性を確保するための国際基準に基づいて建設され、投資額は少なくとも2億ドル(約250億円)になります。
注目を集めるコールドチェーン分野
国連食糧農業機関の推計によると、サブサハラアフリカでは40%以上の食品が消費者に届く前に廃棄されています。サハラ以南のアフリカにおける生鮮食品の場合、60%にも達します。 ケニアでは、果物や野菜の生産が拡大し、国内外での市場開拓の潜在力がありますが、消費用に生産された果物や野菜の40%から60%が、サプライチェーンを通じて損失していると推定されています。 さらに、ケニアではコールドチェーンが不足しているため、年間を通して安定供給ができず、収穫の最盛期と閑散期の価格変動は、最大で500%に達します。 これらの背景から、コールドチェーンは食品ロスの最小化だけではなく、ケニアが消費者としても生産者としても利益を拡大し、国際貿易に参加できるようになる可能性があります。
また、フードロスの削減はSDGsの達成、気候変動対策という観点でも重要性が増しており、近年注目を集めている分野です。今後、更なる展開が期待されます。
(イメージ画像はO-DANより)
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