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日本企業と提携するケニアの気候スタートアップが、新たに南ア銀行から資金調達

世界で最も温暖化等による気候変動の影響を受けている地域の一つであるアフリカですが、近年はカーボンクレジット(炭素排出権)や最先端技術を活用した多くのスタートアップがこの難題に取り組んでおり、注目を集めています。


1月10日、ケニアを拠点としてバイオエタノールを用いた家庭用調理燃料転換によるカーボンクレジット創出事業を展開するKOKO Networks Limited(以下、ココ社)が、南アのランド・マーチャント銀行から新たな資金調達を行ったと発表しました。


詳細は非公開ですが、同銀行の炭素ファイナンス責任者であるフィル・ノートン氏は「…KOKOの継続的な急成長を支援すると同時に、アフリカの何百万人もの人々に、はるかに手頃な価格で排出量の少ない燃料を提供することについて、KOKOと提携できることを誇りに思う」とのコメントをしており、アフリカ全域で炭素トレードやファイナンス事業を提供する同社の狙いと合致しているとしています。


110万世帯にバイオエタノール調理用燃料を提供


同社の最大の特徴は、調理用燃料として110万世帯にバイオエタノールを提供することで、森林伐採や砂漠化問題の解決に貢献していることです。


ケニアの庶民が最も扱う調理用燃料は木炭で、ローカルマーケットではバケツ売りで木炭が並べられています。しかし、木炭を作るために大量の木々が伐採され、環境破壊が進行しています。


そこで同社は各家庭レベルでバイオエタノールへの転換を進め、炭素排出削減によって得られる(カーボンクレジット等の)収入を購入者(世帯)に還元することで、貧しい世帯でもバイオエタノールによる調理を可能にしました。


実際、ケニア最大のスラムであるキベラでも同社が設置したバイオエタノール供給所が多く見られ、住民から受け入れられている様子が見てとれます。


また、環境対策だけではなく、木炭を室内で燃やすと煙による健康被害が生じていましたが、バイオエタノールに転換することで健康リスクが抑えられる点も評価されています。


伊藤忠やみずほ銀行が提携


ココ社は日系企業からの関心も高く、昨夏には伊藤忠商事やみずほ銀行がカーボンクレジットに関する提携を結びました。


現在、削減された炭素削減量によるカーボンクレジットは、グローバル市場と自主的な炭素市場で販売されており、市場の拡大が見込まれています。


みずほ銀行のニュースリリースによれば、「…今後、企業単位でのネットゼロ(炭素収支をゼロにすること)達成のみならず、社会全体でのネットゼロ達成のためには、自社のバリューチェーン外でのCO2排出量削減に貢献することも非常に重要であり、自社排出量の直接的な削減の取り組みの補完としてカーボンクレジットの取得ニーズが高まることが見込まれます」と期待が述べられています。


拡大を続ける気候スタートアップ


直近ではウクライナ戦争に端を発した国際情勢の不安定化により、アフリカでもスタートアップ投資額が減少しています


その中で拡大を続けるのが気候スタートアップへの投資で、投資家側からの気候変動対策に関する危機感と(カーボンクレジット)市場拡大の期待が現れた結果といえるでしょう。


今後、同市場はさらに拡大することが見込まれており、更なる日系企業が投資や提携を結ぶ動きが加速しそうです。



(イメージ画像はPixabayより。© nasircoolboy1

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