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影響力拡大を狙い、ロシアがアフリカ各国で教育センタ―を開設


ロシアはウクライナへの侵攻をきっかけに、グローバルレベル、特に西側諸国から孤立を余儀なくされています。国連総会におけるロシアに対する非難決議では、40ヵ国が(ロシアへの非難を)反対・棄権したのに対し、141ヵ国が賛成を表明しました。


ロシアは孤立化を防ぎ、自らの支援国を増やそうとして、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる非西側諸国へ様々な政策を実施しています。


代表例は食糧支援や軍事支援ですが、比較的ロシアに近い国が多いと認識されているアフリカでは、無料でロシア語や文化、専門知識を学べる教育センターを次々と開設しています。


ロシアによる教育センターの開設状況


ロシアがアフリカで進めている教育センターの解説はオンラインとオフラインを併せたもので、そのほとんどが地元の大学との提携によるものです。


現在提供しているコースは医学、薬学、工学、航空宇宙学、経済学、コンピューターサイエンスの6コースです。


ロシア政府系メディアのスプートニクによれば、アフリカ28ヵ国で教育センターを開設する予定です。


また、デジタルニュースメディアのセマフォ―によれば、ガーナやナイジェリア、コートジボワールから数百人がコースに応募した他、昨年はエジプトやジンバブエ、ウガンダ、エチオピア、タンザニア、チュニジア、コンゴ民で新たに教育センターが開設されました。


影響力拡大における教育センターの位置づけ


ふり返れば、ロシアは旧ソ連時代から教育や留学という手段を用いて、アフリカにおける影響力拡大を試みていました。たとえば1971年にはソマリアのシアド・バーレ元大統領と協定を結び、軍人をソ連に留学させることを合意しました。


また、アンゴラのジョアン・ロウレンソ現大統領はソ連に留学し、軍事教育を受けた経験があり、2019年にはロシアと漁業や教育などの協定を結んだ他、先述のロシア非難決議でも棄権する姿勢を維持してきました。


一方、ケニアのジョモ・ケニヤッタ初代大統領はソ連に留学した経験がありつつも、共産主義への不信を募らせ、親欧米となった経緯があります。


現在のアフリカ諸国の状況を考慮すると、コースに応募する人々のモチベーションの中心には経済的な利益、より具体的にはロシア語やロシア文化を学ぶことで良い職や地位に就けるかどうかがあると思われます。


たとえば第二言語として英語を学び、訓練証明書と共に英語圏に出稼ぎにいくという場合です。あるいは中国によってアフリカ各地に展開されている、中国語や中国文化を学ぶ孔子(こうし)学院に入学する人々も、中国企業に就職することが大きな動機となっているでしょう。


このようなことを考慮するならば、アフリカ各国の人々にとって、すぐに経済的な利益に結び付くということにならない教育センターの講義内容は、人気のある言語を学べる教育機関と比べて、多少魅力が薄れるといえそうです。


ロシア政府の期待値を上回るかは疑問


現在、アメリカや欧州では定住に繋がる学生ビザの発行が厳しく制限されており、代わりとなる留学先としてロシアが選択される可能性はあります。


また、BBCは戦闘員の不足に苦しむロシアは国籍や報酬を提供してソマリアから戦闘員をリクルートしていると報じており、アフリカ各国で人々がロシア語を学んだ後、戦闘員として受け入れるということも、もしかしたらあるかもしれません。


しかし、先述するようにロシアの教育センターがどれほど需要があるかについては不透明であり、この施策がロシア政府の期待値を上回るかどうかについて疑問視せざるを得ないでしょう。


いずれにせよ、今後の教育センターの動向に関しては、長期的な視野をもって注目する対象となりそうです。



(イメージ画像はPixabayより。©Allexsalon


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